小学生や中学生、どの年代性別を問わず大人気のポケモンカード。
夢中になっている姿を見るのは嬉しい反面、ニュースで「転売」や「トラブル」の話題を多く聞きます。
親としてはやっぱり心配になってしまいますよね…
でも実は、
ポケモンカードは付き合い方さえ間違えなければ、考える力や計算力を育てる「最強の知育教材」にもなるってご存知でしたか?
この記事では、
ポケカが「教育に悪い」と言われてしまう理由やリスクを包み隠さずお伝えします。
また逆にお子さんの成長につなげるための「上手な付き合い方」や「家庭内ルールの作り方」をわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- ポケカが「教育に悪い」と言われる5つの理由
- ポケカで育つ「思考力」と「計算力」
- 何歳からOK?始めるのに適した年齢
- トラブルを防ぐ「家庭のルール5選」
- 万が一トラブルが起きた時の親の対処法
リスクを上手にコントロールしながら、お子さんの「好き」を伸ばしてあげるヒントになれば嬉しいです
ポケモンカードは教育に悪い?親が抱える5つの不安
「ポケモンカードが子供に悪影響を与えるんじゃないか……」
そう心配される保護者の方はとても多いです。
カードが高額になったり、ブームが過熱しすぎたりして、子供たちの間でもお金のトラブルや生活リズムの乱れが起きているのは事実です。
単なる「遊び」を超えて社会現象になっている今だからこそ、親としてどんなリスクがあるのかを知っておくと安心ですよね。
ここでは、多くのご家庭で悩んでいる「5つの不安」について見ていきましょう。
お金の感覚がマヒしちゃう?(高額カード・課金)
「たかが子供のカード遊び」と思っていると、その金額の大きさにビックリしてしまうことがあります。
今、ポケモンカードの一部は「資産」のように扱われていて、たった1枚のカードに数万円、時にはそれ以上の値段がつくことも珍しくありません。
ここが心配!
お菓子売り場で数百円のパックを買うのと、ネットで高額なカードを売り買いする感覚がごちゃ混ぜになってしまうんです。
特に、大人が転売目的でお店に並ぶ姿をニュースや街中で見かけることもあります
「このカードが出れば高く売れる」
「お金になる」
なんて意識が先走ってしまうと、純粋な遊びではなく、ギャンブルのような感覚でお小遣いを使ってしまうかもしれません。
お金の大切さを学ぶ前に、こうした高額な世界に触れるのは、親としても心配なポイントです。
勉強や睡眠がおろそかになる(依存性)
ポケカには、子供を夢中にさせる仕掛けがたくさん詰まっています。
次々と新しいカードが出るので「集めて終わり」がないですし、対戦の作戦も無限にあるので、放っておくと生活のすべてがポケカ中心になってしまいがちです。
よくあるお悩みが、勉強や睡眠への影響です。
時間だけでなく、意識まで奪われてしまうほど「ハマりやすい」ものなので、親としてもしっかり見てあげる必要があります。
夢中になりすぎに注意ですね
お友達とのトラブル(理不尽な交換・いじめ)
子供同士のトラブルもあります。
中でも心配なのが「シャークトレード」と呼ばれる、不公平な交換です。
これは、カードの本当の価値を知らない子に対して、知識のある子が言葉巧みに持ちかけて、価値の釣り合わない交換をしてしまうことを言います。
上級生に「これ珍しいから交換してあげるよ」と言いくるめられたり、断れない雰囲気を作られたりすることも……。
さらにエスカレートすると、集団でカードを渡すよう強要されるなど、いじめに近いトラブルに発展することさえあります。
「子供の遊びだから」と安心しきっていると、思わぬ被害に遭う可能性もあるんです
「勝ちたい」気持ちが強すぎてズルをしてしまう
対戦ゲームである以上、「勝ちたい!」と思うのは当然のこと。
でも、その気持ちが強すぎると、つい不正行為(イカサマ)に走ってしまう子がいます。
膝の上に隠したカードをこっそり手札に加えたり、捨てたカードを拾って戻したり……。
一度成功すると味を占めてクセになりやすく、それが原因でお友達を失ってしまうこともあります。
親としては「勝つこと」よりも「正々堂々と戦うこと」の大切さを教えてあげたいですね
「みんな持ってる!」親はどうすればいい?
実際にポケカで遊ぶお子さんを持つ親御さんからは、「親が詳しくないから困る」という声も多く聞かれます。
カードの価値やルールがよくわからないので、子供の言い分や行動が良いのか悪いのか判断できないんですよね。
例えば、「友達と交換してもいい?」と聞かれて軽くOKしたら、実は相手の親御さんが血相を変えて「大事なカードを返して!」と怒鳴り込んできた、なんてケースも。
また、「みんな持ってるから買って!」とねだられて、買ってしまった結果、子供からの「買って」攻撃が止まらなくなってしまったというお悩みも尽きません。
親が知らないところで話が進んでしまうと、気づいた時には解決が難しいトラブルになっていることも多いようです。
ポケカで賢くなるポイント
ここまで心配な点をお話ししましたが、教育の専門家や教育熱心なご家庭の間では、ポケモンカードが持つ「知育効果」にも大きな注目が集まっています。
複雑なルールの理解、対戦中の計算、相手との駆け引きなど、ポケカには頭を使う要素がギュッと詰まっているからです。
「デメリット」と「メリット」を整理してみましょう
| 心配な点(デメリット) | 良い点(メリット) |
|---|---|
| お金の感覚がマヒしやすい | 計算力が身につく |
| 勉強がおろそかになりがち | 論理的思考力が育つ |
| 友達とのトラブルリスク | コミュニケーション力が育つ |
実際に「楽しみながら学べるツール」として活用しているご家庭も多いんですよ。
実際にうちの子たちもポケカで学んでます
ここでは、ポケカでどんな力が育つのか、意外なメリットについて見ていきましょう。
論理的に考える力が身につく(プログラミング的思考)
ポケカで勝つためには、「相手のポケモンを倒す」というゴールから逆算して、「今なにをすべきか」を考える必要があります。
もし相手がこう動いたら、自分はこう返そう
手札にエネルギーがないから、まずはカードを引こう
思考の組み立ては、まさにプログラミング的思考そのものです。
謎解きでおなじみの松丸亮吾さんも、状況を予測して手順を組み立てる力が、遊びの中で自然と鍛えられるとお話しされています。
限られた手札をどう使うか考えることは、まるで経営者のような視点を育てることにもつながるかもしれません。
参考:ポケモンカードゲーム トレーナーズウェブサイト|"もっと"限界まで語りつくす! My Favoriteポケカ 松丸亮吾さん
計算と国語(漢字・文章読解)が得意になる
ポケカに熱中している子供たちは、驚くべき集中力で「勉強」をしています。
楽しいからすごい集中力で覚えます
ゲームを進めるには、カードに書かれた複雑な文章を読み、ダメージ計算を素早く行う必要があるからです。
例えば、
「このワザは30ダメージで、コインがオモテならプラス20ダメージ」といった計算を、遊びの中で何度も繰り返します。
カードの説明文には難しい漢字や独特の言い回しが含まれていますが、勝ちたい一心で子供たちはそれを必死に読み解こうとします。
ドリル学習では嫌がるような計算や読解も、遊びという目的があれば、楽しみながら吸収してしまうんですね。
文章題が苦手なお子さんにはもってこいです
コミュニケーション能力とマナーが育つ
テレビゲームだと1人の世界に入りがちですが、ポケカは人とのコミュニケーションがとりやすいです。
この「人と向き合って遊ぶ」という特性が、コミュニケーション能力や社会性を育ててくれます。
対戦を始める時の「お願いします」、終わった時の「ありがとうございました」という挨拶はもちろん、プレイ中も自分の行動を相手に伝える必要があります。
「山札を引きます」「このワザを使います」とハッキリ言葉にして、相手に確認してもらうやり取りは、会話のキャッチボールそのものです。
時には初対面のお友達や大人と対戦することもありますが、共通のルールがあるおかげで、年齢に関係なく対等にお話ができます。
礼儀やマナーを実践的に学べる場として、とても優れたツールと言えるでしょう。
負けてもくじけない「強い心」が育つ
ポケカには運の要素もあります。
どんなに強いデッキを組んで完璧な作戦を立てても、カードの引きが悪ければ負けることがあります。
この「理不尽な負け」を経験することが、子供のメンタルを強くしてくれるんです。
最初は負けて泣いたり、かんしゃくを起こしたりするかもしれません。
でも、回数を重ねるうちに「負けることもある」と受け入れて、気持ちを切り替えて次の対戦に向かえるようになります。
うちの子も初めは悔しくて泣いてました
これは、失敗から立ち直る力(レジリエンス)の練習になります。
また、負けた時に相手を称える「グッドゲーム」の精神を学ぶことは、社会に出てからも役立つスポーツマンシップの基礎になりますよ。
勝っても負けても学びはたくさんあります
テストでは測れない「非認知能力」もアップ
最近の教育現場では、テストの点数では測れない「非認知能力」が大切だと言われています。
非認知能力とは
「目標に向かってやり抜く力」「感情をコントロールする力」「他者と協力する力」などのことです
広島大学などの研究でも、ポケカはこうした力を高める効果があると注目されています。
例えば、相手の表情から次の手を読む力や、自分と相手の状況を客観的に見る力です。
ただカードを出し合うだけでなく、相手の心理を読んで長い目で作戦を立てる経験は、お子さんの内面的な成長を大きく後押ししてくれるはずです。
考える力、次の行動、脳の発達には欠かせません
参考:広島大学|ポケモンカードゲームって、最強のお勉強ツールだと知りました
何歳からなら大丈夫?おすすめの年齢と適正
「周りの子が始めているけれど、うちはまだ早いかな?」と悩む方も多いでしょう。
公式の推奨年齢はありますが、実際には兄弟の影響などで小さいうちから触れる子もいます。
でも、早ければ良いというわけでもなく、お子さんの性格や発達段階によっては、まだ待ったほうが良いケースもあります。
ここでは、一般的に楽しめる年齢の目安と、注意が必要なケースについてお話しします。
公式では9歳、実際は5歳くらいから楽しめます
ポケカのパッケージには「対象年齢9歳以上」と書かれていますが、実際にはもっと早くから始めている子がたくさんいます。
長男は4歳後半から始めてます
次男(2歳差)はそれを見て育っているから3歳くらいからポケカに触ってるね
一般的には、数字とひらがなが読めるようになる「5歳〜7歳(年長〜小学1年生)」頃にデビューするケースが多いようです。
もちろん、最初から難しい作戦を理解するのは大変です。
でも、親御さんが横について文章を読んであげたり、計算を手伝ってあげたりすれば、未就学のお子さんでも十分に楽しめます。
一緒になって覚えました(笑)
最初は簡単な「スターターセット」から始め、少しずつルールを覚えていくのがおすすめです。
親子で一緒にルールを学びながら遊ぶ時間は、お子さんにとっても嬉しいコミュニケーションの時間になりますよ。
あーでもない、こーでもないって楽しんでます
「勝ち負け」へのこだわりが強い子は要注意
すべてのお子さんにポケカが向いているわけではありません。
特に注意が必要なのは、「勝ち負けへのこだわりが極端に強い子」や「待つのが苦手な子」です。
特に9歳未満の子供はこだわりが強いです
だからポケカの推奨年齢が9歳以上になっています
「9歳の壁」ってよく言いますが、論理的思考が身につくまで0か100の考え、「勝ち」か「負け」で判断します。
いわゆる「白黒ハッキリさせたい」タイプの子は、負けることを「自分の全否定」と捉えてしまいがちです。
その結果、負けそうになるとパニックになってカードを破いたり、お友達を叩いてしまったりすることがあります。
また、欲しいものを我慢するのが苦手な子は、お友達のレアカードを見て衝動的に取ってしまう……なんてリスクもゼロではありません。
こうした様子が見られる場合は、いきなりお友達と遊ばせるのではなく、まずはお家で感情をコントロールする練習期間を作ってあげると安心ですね。
家族で一度触ってみることがいいですね
参考:文部科学省|子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題
発達の特性(ADHD・ASD等)がある子にもおすすめ
発達障害などの特性を持つお子さんにとって、ポケカは心強い味方になることがあります。
特に自閉スペクトラム症(ASD)の傾向がある子にとって、ルールがハッキリ決まっている遊びは安心できるものです。
カードゲームと相性がよいです
「空気を読む」必要がなく、手順通りに進めれば誰とでも対等に関われるため、人と関わる不安を減らすことができます。
感情調整のトレーニングにもなりますね
また、スマートフォン向けアプリ『Pokémon Trading Card Game Pocket(ポケポケ)』なども活用できます。
自分のペースでカードを集めて整理する作業は、心の安定(癒やし)につながることがあります。
対面でのプレイでは、自分の番が来るまで待つ練習や、相手に関心を持つきっかけ作りなど、社会性を育てるトレーニングの一環として役立てることも可能です。
教育に悪くしないために!家庭で決めるべき5つの約束
ポケモンカードを「毒」にするか「薬」にするかの分かれ道は、ご家庭でのルール作りにかかっています。
何の制限もなく自由に遊ばせてしまえば、依存やトラブルのリスクは高まります。
何をするにもルールは必要です
でも、親御さんが適切な枠組みを用意してあげれば、子供は安全な環境で我慢する心を学びながら楽しむことができます。
ここでは、お子さんの健やかな成長を守るために、ぜひ導入してほしい5つの「ルール」をご紹介します。
お金のルール(お小遣いの範囲・転売禁止)
ポケカを教育に悪くしないための第一歩は、お金のルールをハッキリさせることです。
親が無制限に買い与えてしまうと、子供は努力して手に入れる喜びを知らず、カードをただの「モノ」として大事にしなくなってしまいます。
その辺にカード落ちてませんか?
「毎月のお小遣いの範囲内で買う」あるいは「お手伝いをしたら1パック買える」といったルールを決めましょう。
これにより、限られた予算でどうやり繰りするかを考える、良いお金の勉強になります。
また、転売目的での購入は絶対に禁止し、「遊ぶために買うんだよ」ということをしっかり伝えてあげてくださいね。
「お金」「物」の大事さを知れますね
時間のルール(回数や区切りで管理)
ダラダラと遊び続けないために、時間の管理も大切です。
ただし、「1日1時間」というルールは、対戦ゲームにはあまり向きません
理由は対戦が長引いて良いところで時間が来てしまうと、子供は消化不良でイライラしてしまうからです。
おすすめなのは、「回数」や「区切り」で管理することです。
重要なのは子供に区切りを決めてもらうことです
「あと1回対戦したら終わり」「宿題が終わってから遊ぶ」といったルールのほうが、子供も納得しやすく、自分で気持ちを切り替えやすくなります。
また、隠れて長時間遊ぶのを防ぐために、デッキ作りや対戦はリビングなど親の目がある場所で行うようにしましょう。
トラブル防止!交換・貸し借りは禁止
トラブルを未然に防ぐ一番の方法は、子供同士の「カード交換(トレード)」と「貸し借り」を禁止することです。
小学生のうちはカードの価値を正しく判断できないため、不当な交換や返却トラブルが後を絶ちません。
子供たちだけで交換、貸し借りはさせないように…
「お友達とカード交換はしない」
「お友達のカードには勝手に触らない」
というお約束を徹底しましょう。
どうしても交換したい場合は、「親同士が連絡を取って確認してから」という許可制にするのが安全です。
また、高額なレアカードはデッキに入れず、お家で保管専用にするといった対策もしておくと安心ですよ。
お片付けのルール
自分の持ち物を大切に管理させることも、重要な教育です。
カードを床に散らかしたままにしたり、ケースに入れずに持ち歩いたりするのは、紛失や盗難の原因になります。
なくなる可能性大です
「遊んだ後は必ずファイルやケースにしまう」というルールを決めましょう。
自分のカードを自分で守り、整理整頓する習慣を身につけさせる良いチャンスにしてください。
親子で一緒に遊ぶのが一番の解決策
そして何より大切なルールは、「親子で関わること」です。
親がポケカに関心を持ち、一緒に遊ぶことが、実は最強のトラブル防止策になります。
コミュニケーションも取れて一石二鳥です
関わり方は、親御さんのタイプに合わせて二通りあります。
- 親が「師匠」として、対戦相手になりながらマナーや作戦を教える方法。
- 親が「応援団」として、子供にルールを教えてもらいながら一緒に楽しむ方法です。
どちらにしても、親が良き理解者であれば、子供は安心して遊べます。
もしズルをしたり危険な兆候があったりしても、すぐに気づくことができます。
こういった時間ってすごい大事です
まとめ:ポケカは付き合い方次第で「毒」にも「薬」にもなる
これまで、ポケモンカードの心配な点や良い点、そしてご家庭での付き合い方についてお話ししてきました。
結局のところ、ポケカ自体が良いものでも悪いものでもなく、大切なのは「どう関わるか」という環境作りにあります。
まとめ
- お金の感覚や生活リズムなど、心配なリスクがあるのは事実
- でも、考える力、計算力、社会性を育てる「知育効果」もすごく高い
- 大事なのは「禁止」することではなく、親が見守る中での「ルール作り」
- 交換禁止や金額の上限など、枠組みがあれば安全に楽しめる
- もしトラブルが起きても、親が冷静に対応すれば、子供の成長につなげられる
ポケモンカードは、親子で共通の話題を持ち、一緒に成長できる素晴らしいツールでもあります。
不安な点も多いかと思いますが、まずは「親も一緒にやってみる」ことが、一番の解決策かもしれません。
何気に親もハマってます(笑)
お子さんが何に夢中になっているのかを知り、同じ目線でルールやマナーを教えてあげてください。
さあ、今週末はお子さんと一緒にデッキを広げて、新しいコミュニケーションを始めてみませんか?