通販の箱を部屋の隅に積んだまま数日。
ふと「この中にゴキブリがいる確率ってどのくらいなんだろう」と気になった人はいませか?
先に結論を言うと、パーセントで答えられる調査は見当たりませんでした。
ただ、判断の材料になる数字はいくつもあります。
この記事の信頼性:島本町役場 環境課の資料、フマキラーが公開している生態情報、ダスキンの害虫解説をもとにまとめています。
出典は記事末尾に記載しました。
まずは、なぜ確率が出てこないのかから見ていきましょう。
段ボールにゴキブリがいる確率は公表されていない
最初に、探した結果をそのままお伝えします。
段ボールにゴキブリがいる確率を数字で示した公的な統計は見当たりませんでした。
害虫駆除の専門サイトも「明確な数値で示すことは難しい」としています。
同じように「何日置いたら危険か」という線引きも、専門サイトが「明確な線引きはできない」と書いています。
パーセントを期待して検索した人にとっては拍子抜けする話ですが、ここを曖昧にごまかしても意味がありません。
同じ通販の箱でも、空調の効いた倉庫を1日で通過したものと、屋外に近い場所で数週間積まれていたものでは、まったく別の話になります。
率として一般化できないというのが、数字が出てこない理由です。
段ボールはゴキブリの条件を5つとも満たしてしまう
確率は出せませんが、なぜ心配されるのかは説明がつきます。
島本町役場の環境課は、ゴキブリの潜み場所として「暖かい所・暗い所・エサに近い所・湿気のある所・狭いすきま等」を挙げています。
段ボールはこの5つを1つで満たしてしまいます。
段ボールは2枚の紙の間に波型の中芯が挟まった構造で、断面に細かい隙間が並んでいます。
ダスキンは段ボールを好む理由として、保温効果、ちょうどよい隙間、付着したホコリがエサになること、卵を産みつけやすく巣も作りやすいことを挙げています。
隙間の幅も具体的です。
フマキラーによると、チャバネゴキブリは2mm程度の隙間があれば通り抜けできるとされています。
段ボールの中芯がつくる波の隙間は、まさにその幅にあたります。
構造そのものが、たまたま条件に合ってしまっているということです。
「段ボールにゴキブリ」は嘘なのか
一方で、この話は大げさだという声もあります。
ここも整理しておきます。
デマではありませんが、「段ボールがあれば必ずゴキブリがいる」というのも正確ではありません。
付着している可能性があることと、家の中で繁殖することは別の話です。
ダスキンは、配送された段ボール箱に潜んだゴキブリが荷物と共に家に侵入すると説明しています。
経路として実在はします。
ただし専門サイトも「段ボール=危険と一律に判断するのではなく、置かれていた環境を考慮すべき」としています。
島本町役場は「ゴキブリの駆除で1番大切なことはゴキブリの住めない環境をつくること」と書いています。
段ボールを恐れるより、段ボールを置き続けられる部屋になっていないかを見るほうが、話が早いということです。
新品の段ボールなら安全なのか
よく調べられているのが、新品かどうかという点です。
新品かどうかより、その箱が倉庫でどのくらいの期間、どんな環境に置かれていたかで決まります。
工場から出た直後の箱と、倉庫に長く積まれていた箱では条件が違います。
通販の箱は「新品」に見えますが、梱包されるまでのあいだ倉庫に保管されています。
その保管場所が暖かく湿っていれば、条件は中古の箱と変わりません。
スーパーで無料でもらえる箱は、店舗のバックヤードに置かれていた時間が長い分だけ条件が重なります。
新品という言葉に安心するより、折り目と底を一度見るほうが確実です。
確率の代わりに「日数」で考える
パーセントが出せない以上、別の物差しが要ります。
ここが実用的な部分です。
卵が付いていた場合、いつ孵るかは分かっています。
チャバネゴキブリの卵期間は約20日、クロゴキブリは31〜47日とされています。
つまり「何日置いたら危険か」ではなく、「もし卵が付いていたら、この日数で孵化しうる」と逆算できます。
フマキラーもチャバネゴキブリの卵鞘は20日前後で孵化するとしています。
数字を並べると、対処の方針が決まります。
受け取った箱を20日以上そのまま置いておくと、仮に卵が付いていた場合に孵化する期間へ届いてしまうということです。
逆に言えば、届いたその日に開けて畳んで出してしまえば、この計算自体が始まりません。
1匹入ると何匹になるのか
急いだほうがいい理由は、増え方にあります。
クロゴキブリの産卵回数は約17回、チャバネゴキブリは3〜10回とされ、チャバネは1回の産卵で40〜50個の卵を卵鞘の中に産みます。
しかもチャバネゴキブリは寒さに弱く、冷蔵庫の裏やエアコンの内部に入り込んで集団でコロニーをつくる習性があります。
段ボールから移動した先が、そういう場所になります。
「1匹見たら何十匹」という言い方がありますが、根拠はこの産卵数です。
段ボールを急いで処分するべき理由は、確率が高いからではなく、当たったときの損失が大きいからだと言えます。
段ボールを放置すると別の虫も来る
ゴキブリだけの話ではない、という点にも触れておきます。
ダスキンは、長期間放置された段ボールの下にシロアリが大発生した例を挙げ、駆除費用が20万円以上かかる場合があると説明しています。
同じ解説では、スーパーの段ボールを通じてチャタテムシが家に入った事例も紹介されています。
チャタテムシは1〜1.3mmほどの小さな虫で、湿気とカビを好みます。
床に直接、長期間置くのがいちばん条件を作ります。
ゴキブリの確率を気にするより、床に紙を置きっぱなしにしない習慣のほうが、まとめて効きます。
結局どうすればいいか
最後に、今日からできることに落とします。
確率が分からない以上、確率を下げる行動をとるのがいちばん確実です。
段ボールを家の中に留めておく時間を短くすることが、そのまま対策になります。
受け取ったらその場で開け、中身を出したら畳んで玄関の外か資源ゴミの置き場へ。
これだけで、卵の孵化日数に届く前に終わります。
段ボールを収納として使い続けている場合は、プラスチックの衣装ケースに替えるだけで条件が1つ減ります。
紙をやめるという選択が、いちばん手間のかからない対策になります。
そのうえで、既に室内で見かけているなら別の対処が要ります。
煙が効くのかどうかは下記の記事で検証しました。
-
-
蚊取り線香はゴキブリに効く?退治できない理由と正しい対策を解説
蚊取り線香でゴキブリは退治できるのか検証しました。結論は退治には不向きで、体格が大きく煙では仕留めきれず耐性個体もいるためです。効きにくい理由と、ベイト剤・くん煙剤など本当に効く駆除・予防の方法をわかりやすく解説します。
段ボールは冬の越冬場所にもなります。
暖房を切れば減るのかを検証したのが下記の記事です。
-
-
冬に暖房をつけないとゴキブリはいなくなる?いなくならない理由と対策
冬に暖房をつけないとゴキブリはいなくなるのか、日本の住宅の室温実測データと生態情報をもとに検証しました。窓を開けっ放しにする効果や、冬こそ駆除に向いている理由まで解説します。
段ボールとゴキブリに関するよくある質問
段ボールにゴキブリがいる確率はどのくらいですか?
数字で示した公的な統計は見当たりませんでした。専門サイトも明確な数値で示すのは難しいとしています。
なぜ確率が出せないのですか?
その箱がどの倉庫を通り、何日どんな環境に置かれていたかで条件が変わるためです。全数調査の統計も存在しません。
ダンボールにゴキブリがわくのはなぜですか?
潜み場所の条件である「暖かい・暗い・エサに近い・湿気がある・狭いすきま」を、段ボールが1つで満たしてしまうためです。
段ボールにゴキブリがわくのは新品ですか?
新品かどうかより、倉庫での保管環境と保管期間で決まります。通販の箱も梱包前に倉庫で保管されています。
何日置いたら危険ですか?
明確な線引きはできないとされています。ただしチャバネゴキブリの卵期間は約20日、クロゴキブリは31〜47日なので、20日以上置くと孵化しうる期間に届きます。
「段ボールにゴキブリ」は嘘ですか?
デマではありません。ただし「必ずいる」というのも正確ではなく、付着の可能性と室内での繁殖は別の話です。
卵はどこに付いていますか?
折り目や底の隙間に、茶色い小豆のような塊として貼り付いていることがあります。
1匹いたら何匹いますか?
クロゴキブリの産卵回数は約17回、チャバネゴキブリは1回に40〜50個を3〜10回産むとされています。
段ボールを収納に使ってもいいですか?
避けたほうが安全です。プラスチックの衣装ケースに替えると条件が1つ減ります。
ゴキブリ以外の虫も来ますか?
シロアリやチャタテムシも寄ります。長期放置でシロアリが発生し、駆除費用が20万円以上かかる例が紹介されています。
まとめ
段ボールにゴキブリがいる確率は、調べた範囲では数字として公表されていませんでした。
害虫駆除の専門サイトも「明確な数値で示すことは難しい」としており、ここは正直にそう書くしかありません。
理由は単純で、その箱がどこを通り、何日どんな環境に置かれていたかが分からないからです。
空調の効いた倉庫を1日で通過した箱と、屋外に近い場所で数週間積まれていた箱を、同じ率でくくることはできません。
ただ、判断の材料になる数字はあります。
島本町役場が挙げる潜み場所の5条件を段ボールは1つで満たし、チャバネゴキブリは2mmの隙間を通り抜けます。
そして卵期間はチャバネが約20日、クロゴキブリが31〜47日。
確率が分からなくても、「20日以上置かない」という基準なら自分で決められます。
届いた箱をその日に畳んで外に出す。
収納には紙ではなくプラスチックを使う。
やることはそれだけで、確率を調べる必要そのものがなくなります。