周りの大人や友だちが、当たり前のようにブラックコーヒーを飲んでいる。
自分も試してみたけれど、やっぱり苦い。
コーヒーを美味しいと感じるのは、いったい何歳ごろからなのでしょうか。
子どものころは苦くて顔をしかめていたのに、大人になると好きになっていた、という話はよく聞きます。
何が変わったのか、自分もそのうち飲めるようになるのか、気になるところです。
結論からお伝えすると、コーヒーを美味しいと感じ始める年齢は人によって違いますが、高校生のころや20歳前後という声が多く、その背景には味覚の変化と慣れがあります。
この記事は、全日本コーヒー協会の調査、日本educe食育総合研究所の解説、食品安全委員会のファクトシートをもとに整理しています。
まずは、実際に何歳ごろからコーヒーを美味しいと感じたのか、という声から見ていきましょう。
コーヒーは何歳から美味しいと感じる?
最初に、実際の声を集めてみます。
コーヒーを美味しいと感じ始めた年齢として多く挙がるのは、高校生のころと20歳前後です。
たとえば、高校生のときに缶コーヒーを飲んでいて「甘いな」と感じるようになり、微糖に変え、すぐに無糖を飲むようになったという人がいます。
16歳のころ、アルバイトで夜遅くなった日に先輩がおごってくれたのがきっかけだったという人もいます。
一方で、「コーヒーとしてなら20歳ぐらい、缶コーヒーのジュース感覚なら12歳ぐらい」という答え方をする人もいます。
甘いコーヒー飲料を飲み始めた年齢と、コーヒーそのものを美味しいと思った年齢が、別々に語られているのが特徴です。
年齢そのものより、「甘いものを甘すぎると感じたとき」や「誰かと一緒に飲んだとき」が転機になっている人が多いことが分かります。
では、実際に何歳ごろからコーヒーを飲む量が増えるのか、データでも確かめてみましょう。
データで見るとコーヒーを飲む量は年齢でどう変わる?
続いて、年代ごとの飲む量です。
全日本コーヒー協会の2024年の調査では、中・高校生でも1週間に7杯から9杯ほどのコーヒーを飲んでいるという結果が出ています。
この調査は12歳から79歳を対象に、インスタント、レギュラー、液体(リキッド)、缶を合わせた1人1週間あたりの杯数を年代別にまとめたものです。
中・高校生は男性7.08杯、女性9.57杯でした。
年代が上がると、40〜59歳で男性12.19杯、60歳以上では男女とも12杯を超えます。
一方で、18〜24歳の女性は3.36杯と、中・高校生より少ない結果になっています。
10代でもコーヒーはすでに身近な飲み物で、年齢が上がるほど飲む量が増えていく流れが見えます。
ただしこの数字には甘い缶コーヒーや液体のコーヒーも含まれるので、ブラックを美味しく飲めるようになった年齢とは分けて考える必要があります。
子どものころコーヒーが苦く感じる理由
では、なぜ子どものころはコーヒーが苦く感じるのでしょうか。
日本educe食育総合研究所の解説によると、苦味はもともと毒物を連想させる味で、小さな子どもほど苦味に敏感だとされています。
甘味はエネルギー源、塩味はミネラル、うま味はたんぱく質を知らせる味で、体に役立つものに多く含まれるため、好む人が多い味です。
これに対して、苦味は毒物、酸味は腐敗を連想させる味なので、本能的に避けたくなるというわけです。
もうひとつ関係しているのが、味を感じる「味蕾(みらい)」の数です。
同じ解説によると、味蕾は乳児期には1万個ほどあり、年齢とともに少しずつ減って、大人になるころには7,500個ほどになります。
子どものころにコーヒーが苦いのは、味覚が正しく働いている証拠でもあります。
大人になって美味しく感じるようになるのは、感じ方が鈍くなることと、経験が増えることの両方が重なった結果だと考えられます。
コーヒーを美味しく感じるようになるきっかけ
苦味が平気になるには、もうひとつ大事な要素があります。
それが、経験と慣れです。
同じ解説では、大人は味に対する経験が増えることで、酸味や苦味も好ましく感じられるようになると説明されています。
最初に紹介した声を振り返ると、多くの人が「いきなりブラックを美味しいと思った」わけではありません。
甘い缶コーヒーやコーヒー牛乳から入り、少しずつ甘さを減らしていくうちに、コーヒーそのものの味に慣れていった、という流れがよく見られます。
人と一緒に飲む時間も、きっかけになりやすいようです。
アルバイト先の先輩、職場の休憩、友だちとのカフェ。
その場の記憶と結びついて、コーヒーの味が「美味しいもの」として覚えられていきます。
コーヒー店の店主による解説でも、経験や記憶、その日の体調や気分によって、コーヒーの感じ方が変わると紹介されています。
コーヒーの美味しさは、ある日突然わかるものではなく、飲む経験を重ねるうちに育っていくものです。
だからこそ、今苦手だとしても、飲み方しだいで近づいていくことはできます。
ブラックコーヒーに飲み慣れるためのコツ
最後に、これからコーヒーに慣れたい人のための方法です。
いちばん取り入れやすいのは、甘さやミルクを少しずつ減らしていく方法です。
実際に高校生のころに微糖から無糖へ移っていった人がいるように、段階を踏むと苦味に慣れやすくなります。
カフェオレから始めてミルクの量を減らしていく、砂糖を少しずつ減らす、甘いお菓子と一緒に飲む、といったやり方があります。
10代のうちは、カフェインの量にも気をつけておきたいところです。
食品安全委員会の資料で紹介されているカナダ保健省の目安では、13歳以上は体重1kgあたり1日2.5mgまでとされています。
体重50kgなら125mgで、コーヒー(抽出液)100mlに60mgという同じ資料の数字で計算すると、1日にコーヒー約200ml分です。
無理にブラックを飲もうとするより、自分が美味しいと思える濃さから始めるほうが、結果的に早く慣れていきます。
甘いコーヒー牛乳の味から入った人も多いので、そこから始めてもまったく問題ありません。
子どもがコーヒー牛乳を飲む年齢の目安は、下記の記事で紹介しています。
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コーヒー牛乳は何歳から?雪印の目安とカフェオレとのカフェインの差
コーヒー牛乳は何歳から飲めるのか。雪印メグミルクが公式に示す3歳以上の目安と、雪印コーヒー200mlで約10mgというカフェイン量から、家で作るカフェオレとの違いを整理します。
コーヒーが美味しく感じる年齢に関するよくある質問
ブラックコーヒーは何歳から美味しく飲めるようになりますか?
人によって違いますが、高校生のころや20歳前後という声が多く聞かれます。甘いコーヒー飲料から入り、少しずつ甘さを減らして慣れていく人が多いようです。
コーヒーが美味しく感じるようになる理由は何ですか?
味を感じる味蕾の数が年齢とともに減ることと、飲む経験が増えることの両方が関係していると考えられます。苦味に慣れることで、好ましく感じられるようになります。
子どもがコーヒーを苦いと感じるのはなぜですか?
苦味は毒物を連想させる味で、味の経験が少ない小さな子どもほど敏感だとされています。子どもが苦いと嫌がるのは自然なことです。
小学生はコーヒーが好きですか?
全日本コーヒー協会の調査は12歳以上が対象なので、小学生のデータはありません。中・高校生では1週間に7〜9杯ほど飲んでいるという結果が出ています。
中学生や高校生はコーヒーを飲んでもいいですか?
カナダ保健省の目安では、13歳以上は体重1kgあたり1日2.5mgまでとされています。体重50kgなら1日にコーヒー約200ml分が目安です。
大人になってもコーヒーが苦手なのはおかしいですか?
おかしくありません。調査を見ても飲む量は人によって大きく違います。無理に飲む必要はなく、カフェオレなど自分が美味しいと思える形で楽しめば十分です。
味覚はいつごろ決まるのですか?
日本educe食育総合研究所の解説では、味覚の発達は3〜4歳ごろがピークで、10〜12歳ごろまでに食べた味の記憶がその人の味覚の基礎になるとされています。
コーヒーを飲み始めるきっかけで多いのは何ですか?
甘い缶コーヒーやコーヒー牛乳から入った、勉強や仕事の合間に飲むようになった、先輩や友だちと一緒に飲んだ、といった声が多く聞かれます。
まとめ
コーヒーを美味しいと感じる年齢に決まりはありませんが、高校生のころから20歳前後にかけて、その転機を迎える人が多いようです。
子どものころにコーヒーが苦いのは、苦味を毒のサインとして避ける、正しく働いた味覚の反応です。
そこから、味蕾の数が少しずつ減り、飲む経験が重なっていくことで、苦味は「美味しさ」の一部に変わっていきます。
全日本コーヒー協会の調査でも、中・高校生の段階でコーヒーはすでに身近な飲み物になっていて、年齢とともに飲む量が増えていくことが分かります。
だから、今コーヒーが苦手でも焦る必要はありません。
カフェオレや微糖から始めて、少しずつ甘さを減らしていけばいいのです。
先輩や友だちと一緒に飲んだ一杯が、ある日「美味しい」に変わる。
コーヒーの美味しさは、そうやって経験の中で育っていくものなのだと思います。