お彼岸が近づくと、和菓子屋さんやスーパーにおはぎがずらりと並びます。
なぜお彼岸におはぎを食べるのか、改めて聞かれると答えに迷う人も多いのではないでしょうか。
この記事では、
お彼岸におはぎを食べる理由と、ぼたもちとの違い、いつ食べるのかまでまとめて解説します。
まずは、おはぎを食べる理由の結論から見ていきましょう。
お彼岸におはぎを食べるのはなぜ?
結論からお伝えします。
お彼岸におはぎを食べるのは、
もともとご先祖さまへの感謝を伝えるお供え物だったからで、小豆の赤色に邪気を払う意味が込められていること、
砂糖が貴重だった時代の特別なごちそうだったことが主な理由とされています。
それぞれの理由を、順番に詳しく見ていきましょう。
理由①ご先祖さまへの感謝を伝えるお供え物だったから
一つ目の理由は、お供え物としての意味です。
かつて砂糖はとても貴重な高級品だったため、砂糖をたっぷり使ったおはぎは、
ご先祖さまにお供えするのにふさわしい特別なごちそうと考えられていました。
今でこそおはぎは手軽に買えるお菓子ですが、昔の人にとっては、めったに口にできない贅沢品でした。
その貴重なものをあえてお供えすることで、ご先祖さまへの敬意と感謝の気持ちを表していたとされています。
お供えしたおはぎを家族で分けて食べることには、ご先祖さまと同じものをいただくという供養の意味もあるといわれています。
理由②小豆の赤色に邪気を払う意味があるから
二つ目の理由は、小豆の色にあります。
小豆の赤い色には古くから邪気を払う力があると考えられており、
魔除けや厄除けの願いを込めて、お彼岸のお供え物に小豆を使ったおはぎが選ばれてきたとされています。
赤色を特別な色とする考え方は、古代中国から伝わったものといわれています。
日本でもお祝いの席でお赤飯を炊くように、小豆の赤には「災いを遠ざける」というイメージが根付いてきました。
ご先祖さまを供養するお彼岸に小豆のお菓子を供えるのは、こうした昔からの信仰と結びついた習慣なのですね。
理由③五穀豊穣への祈りと感謝を表すから
三つ目の理由は、農業との結びつきです。
春のお彼岸は田植えの準備が始まる時期、秋のお彼岸は収穫の時期と重なるため、
おはぎには五穀豊穣への祈りと収穫への感謝が込められていたとされています。
春には「今年も豊作になりますように」という祈りを、
秋には「無事に収穫できました」という感謝を、それぞれお供え物に託していたわけです。
お米とあんこでできたおはぎは、まさに実りの象徴ともいえる食べ物です。
自然の恵みとご先祖さまの両方に手を合わせる、日本人らしい風習といえるでしょう。
おはぎとぼたもちの違いは?
続いて、よく話題になる「ぼたもち」との違いを見ていきましょう。
おはぎとぼたもちは基本的に同じ食べ物で、
秋は萩の花に見立てて「おはぎ」、
春は牡丹の花に見立てて「ぼたもち」と、季節の花にちなんで呼び名が変わるとされています。
また、あんこの種類が違うという説もあります。
秋は収穫したばかりの小豆で皮までやわらかく炊けるため粒あんに、
春は保存しておいた小豆を使うため皮を取り除いたこしあんにする、という使い分けがあったといわれています。
ただし現在は、季節を問わず「おはぎ」の名前で売られていることも多く、地域やお店によって呼び方はさまざまです。
お彼岸のおはぎはいつ食べる?
では、お彼岸のいつ食べるのがよいのでしょうか。
おはぎを食べる日に厳密な決まりはなく、
お彼岸の期間中であればいつ食べてもよいとされていますが、
真ん中の日である「中日(ちゅうにち)」にお供えする家庭が多いといわれています。
お彼岸は、春分の日・秋分の日を中日として前後3日間を合わせた7日間です。
2026年の秋のお彼岸は9月20日(日)から9月26日(土)までで、中日は秋分の日の9月23日(水)です。
お彼岸の期間や過ごし方のマナーについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
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お彼岸にやってはいけないこととされるマナー・タブーを解説。お墓参りやお供え物の注意点まで詳しく紹介します。
お供えしたおはぎは、固くなる前に家族でおいしくいただくのが供養にもなるとされています。
なお、2026年の春のお彼岸は3月17日(火)から3月23日(月)までで、中日は春分の日の3月20日(金)です。
春に食べる場合は「ぼたもち」と呼ばれることが多くなります。
地域によって違うおはぎの呼び方・食べ方
おはぎには、地域ごとの個性もあります。
おはぎはあんこだけでなく、きなこやごま、東北地方のずんだ(枝豆あん)など、
地域によってさまざまなバリエーションで食べられています。
また、もち米を完全につぶさずに半分だけつぶす作り方を「半殺し」と呼ぶ地域もあり、
少し物騒な名前ながら昔ながらの言い回しとして親しまれています。
帰省先や旅行先でその土地のおはぎを食べ比べてみるのも、お彼岸ならではの楽しみ方といえるでしょう。
お彼岸におはぎを食べる風習はいつから始まった?
最後に、この風習の歴史も見ておきましょう。
お彼岸におはぎを食べる風習は、
砂糖が庶民にも手に入るようになった江戸時代に広がったとされています。
それまで高級品だった砂糖が国内でも作られるようになり、
庶民の間でも甘いあんこのおはぎが作れるようになりました。
そこから、お彼岸のお供え物としておはぎを作り、ご先祖さまに感謝する習慣が定着していったといわれています。
江戸時代から続いてきた風習が、今も変わらずスーパーや和菓子屋さんの店先で受け継がれていると考えると、少し感慨深いですね。
お彼岸のおはぎに関するよくある質問
お彼岸におはぎを食べるのはなぜですか?
ご先祖さまへの感謝を伝えるお供え物だったからです。小豆の赤色の邪気払い、貴重な砂糖を使ったごちそう、五穀豊穣への感謝という意味が込められているとされています。
おはぎとぼたもちは同じ食べ物ですか?
基本的に同じ食べ物です。秋は萩、春は牡丹と、季節の花にちなんで呼び名が変わるとされています。
お彼岸のおはぎはいつ食べればよいですか?
厳密な決まりはなく、期間中いつでも構いません。中日(春分の日・秋分の日)にお供えする家庭が多いといわれています。
お供えしたおはぎは食べてもよいですか?
問題ありません。お供えした後に家族で分けていただくことが、ご先祖さまへの供養にもなるとされています。
つぶあんとこしあん、どちらが正しいですか?
どちらでも構いません。秋は粒あん・春はこしあんという使い分けの説はありますが、現在は好みで選んでよいとされています。
買ってきたおはぎをお供えしてもよいですか?
問題ありません。手作りでなければいけない決まりはなく、市販のおはぎをお供えする家庭も多くあります。
おはぎは何個お供えすればよいですか?
個数に決まりはありません。仏壇やお墓の大きさに合わせて、無理のない数をお供えすれば十分とされています。
春のお彼岸に「おはぎ」と呼ぶのは間違いですか?
間違いとまではいえません。現在は季節を問わず「おはぎ」の名前で売られることも多く、呼び方は地域やお店によってさまざまです。
お彼岸におはぎ以外をお供えしてもよいですか?
構いません。故人が好きだったお菓子や果物、季節の食べ物をお供えする家庭も多くあります。
2026年の秋のお彼岸はいつですか?
9月20日(日)から9月26日(土)までの7日間で、中日は秋分の日の9月23日(水)です。
まとめ
お彼岸におはぎを食べるのは、ご先祖さまへの感謝を伝えるお供え物だったからで、
小豆の赤色の邪気払いや、貴重な砂糖を使ったごちそうという意味が込められているとされています。
秋は萩の花にちなんで「おはぎ」、春は牡丹の花にちなんで「ぼたもち」と呼び分けるのが一般的な説です。
食べる日に決まりはないので、
お彼岸の期間中に家族でおはぎを囲みながら、ご先祖さまに思いをはせる時間を作ってみてはいかがでしょうか。
由来を知ってから食べるおはぎは、いつもよりほんの少し、味わい深く感じられるはずです。