大みそかが近づくと、「今年は年越しそば、どうしようかな」と迷うことがありますよね。
夕飯でお腹いっぱいになってしまった、家族にそばが苦手な人がいる、そもそも用意するのが面倒。
でも食べないと、なんだか縁起が悪い気がして落ち着かない…という人も多いと思います。
結論からお伝えすると、年越しそばを食べなくても、悪いことが起きるわけではありません。
年越しそばは江戸時代から続く縁起担ぎの習慣で、決まりではないからです。
実際に、年越しそばを食べない人は2割ほどいて、地域によっては大みそかにそばを食べないところもあります。
この記事は、日本麺類業団体連合会の公式サイト、香川県の公式発表、調査会社の公表データ、および報道各社の記事をもとに整理しています。
まずは、年越しそばを食べないと本当に何か起きるのかから見ていきましょう。
年越しそばを食べないとどうなる?
最初に、いちばん気になるところを確認しておきましょう。
年越しそばを食べなくても、何か悪いことが起きるわけではありません。
日本麺類業団体連合会によると、年越しそばは大みそかの夜に食べる習慣で、江戸時代の中ごろには広く一般的になっていたとされています。
「年取りそば」や「大年そば」と呼ぶ地域もあります。
長寿を願ったり、一年の苦労を断ち切ったりと、いくつかの願いが込められた縁起担ぎの食べ物です。
縁起担ぎは、「こうすると気持ちよく新年を迎えられる」という昔からの工夫で、しなかったら罰があるという決まりではありません。
そばアレルギーの人や、そばが苦手な人は、無理に食べる必要はないと考えられます。
大事なのはそばを食べることそのものより、一年を振り返って「来年もいい年になりますように」と区切りをつける気持ちのほうだと考えられます。
年越しそばを食べない人は2割ほどいる
続いて、周りの人がどうしているのかを見てみましょう。
年越しそばを食べる人は約8割で、残りの2割ほどは食べていません。
買い物情報サービスのトクバイが2023年12月に全国の2,213人に聞いた調査では、大みそかに年越しそばを「食べる予定」と答えた人は約8割でした。
つまり、5人に1人くらいは食べない計算です。
生活情報サイトの投票(2021年・1,021票)でも、「毎年必ず食べる」が75.7%だった一方で、「まったく食べない」という人も4.3%いました。
食べない理由として寄せられた声には、「そばアレルギーがあるので、うどんやラーメンにしている」「夜遅くに食べると胃が疲れる」「実家では食べていたけれど、大人になって習慣が薄れた」「おせちでお腹がいっぱいになる」などがありました。
家の宗派の考え方で、年越しそばを含めたお正月の行事をしないという家もあるようです。
食べない理由はどれも暮らしの事情で、縁起を気にしていないからではありません。5人に1人が選んでいる、ごく普通の過ごし方と言えそうです。
年越しそばに込められた意味は4つの説がある
では、そもそもなぜ年越しそばを食べるのでしょうか。
年越しそばには、長寿・厄落とし・金運・運気アップという4つの願いが込められているとされています。
日本麺類業団体連合会は、年越しそばの起源として次のような説を紹介しています。
いちばん広く知られているのは、そばが細く長くのびることから「寿命をのばし、家運をのばしたい」という願いを込めた縁起説です。
ほかに、そばが切れやすいことから「一年の苦労や厄災、借金を断ち切る」という厄落とし説、金銀の細工師が金粉を集めるのにそば粉を使ったことから「そばは金を集める」という金運説があります。
さらに、鎌倉時代に博多の承天寺で、年を越せない人たちにそば餅をふるまったところ、翌年からみんなの運が向いてきたという「運そば」の説もあるそうです。
どの説も「来年はいい年に」という前向きな願いで、食べなかったら悪いことが起きるという話ではないことが分かります。
年越しそばを食べない地域もある
「年越しそばは全国どこでも食べるもの」と思いがちですが、実はそうでもありません。
地域によっては、大みそかではなく元日や年明けにそばやうどんを食べる習わしがあります。
福島県の会津地方には「元旦そば」、新潟県には1月14日などに食べる「十四日そば」という習わしがあると紹介されています。
大みそかの夜からおせち料理を食べ始める地域もあります。
さぬきうどんで知られる香川県では、年が明けてから食べる「年明けうどん」を広めています。
香川県の発表では、2026年は1月1日から15日にかけて、県内外の122店が年明けうどんを出す予定と案内されていました。
大みそかにそばを食べないことは、地域によってはむしろ当たり前で、「年越しそばを食べないとダメ」という決まりはどこにもないと考えられます。
年越しそばはいつ食べる?
食べると決めた人にとって気になるのが、食べるタイミングです。
年越しそばは、大みそかのうちであれば何時に食べてもかまいません。
先ほどのトクバイの調査では、「大みそかの夕食として食べる」人が59.6%、「夕食のあと、除夜の鐘を聞くころに食べる」人が31.6%でした。
夕食として食べる人がいちばん多く、夜遅くに食べる人は3人に1人ほどです。
ただ、年越しそばには「一年の厄を断ち切る」という意味があるので、年をまたがずに大みそかのうちに食べ終えるのがよいと言われています。
また、そばを食べ残すと新しい年にお金に困る、という言い伝えもあります。
いずれも昔からの言い伝えで、守らなかったら何かが起きるというものではありません。
夜遅くに食べるのがつらいなら、夕食にそばを出してしまえば、胃にも負担をかけずに大みそからしい気分が味わえます。
年越しそばを食べ損ねたら元日に食べてもいい
うっかり食べ損ねてしまったときのことも考えておきましょう。
年越しそばを食べ損ねても、元日や年明けに食べれば十分です。
会津の元旦そばや香川の年明けうどんのように、年が明けてから食べる習わしも昔からあります。
年をまたいでしまったからといって、縁起が悪くなるわけではありません。
「新しい年の始まりにそばを食べる」と考えれば、むしろ前向きな一杯になります。
食べられなかったことが気になるなら、初詣で一年の無事をお願いしたり、元日の食卓で家族と新年のあいさつをしたりと、ほかの形で気持ちの区切りをつけるのもひとつの方法です。
年越しそばは一年を締めくくる合図のようなものなので、合図の出し方は家ごとに少しくらい違っていても大丈夫です。
年越しそばの代わりにうどんやお寿司でもいい
最後に、そばが食べられない家族がいるときの代わりを見ておきましょう。
年越しそばの代わりに、うどんやラーメン、お寿司や天ぷらを食べて年を越す人もたくさんいます。
同じ細長い麺という意味で、うどんやラーメン、パスタを選ぶ家庭もあります。
トクバイの調査で、大みそかにそば以外で食べるものを聞いたところ、東日本では天ぷら(27.0%)、お寿司(24.4%)、お刺身(21.5%)、西日本ではお寿司(28.8%)、お刺身(21.0%)、天ぷら(19.8%)が上位でした。
「何を食べるか」より「家族でどんなふうに一年を締めくくるか」を大事にすれば、そばが苦手な人も一緒に気持ちよく年を越せます。
大みそかの食卓の準備を軽くしたい人は、おせちとの付き合い方をまとめた記事も参考にしてみてください。
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年越しそばを食べないときによくある質問
年越しそばを食べないと縁起が悪いですか?
縁起が悪くなるという決まりはありません。年越しそばは江戸時代から続く縁起担ぎの習慣で、食べなくても悪いことが起きるわけではありません。
年越しそばを食べない人はどれくらいいますか?
2,213人の調査では約8割が食べる予定と答えていて、残りの2割ほどは食べていないと考えられます。
年越しそばは何のために食べるのですか?
長寿や家運を願う縁起説、一年の苦労を断ち切る厄落とし説、金運説、運そば説などがあります。
年越しそばはいつ食べるのがベストですか?
大みそかのうちなら何時でもかまいません。夕食として食べる人がいちばん多く、年をまたがずに食べ終えるのがよいとされています。
年越しそばは1本残すのが良いですか?
食べ残すと新しい年にお金に困るという言い伝えがあり、残さず食べるのがよいとされています。無理のない量を用意すると安心です。
年越しそばを食べ損ねたらどうすればいいですか?
元日や年明けに食べても大丈夫です。会津の元旦そばや香川の年明けうどんのように、年が明けてから食べる習わしもあります。
年越しそばを食べない地域はありますか?
会津の元旦そば、新潟の十四日そば、香川の年明けうどんなど、大みそか以外にそばやうどんを食べる地域があります。
年越しそばの代わりに何を食べればいいですか?
うどんやラーメンなどの麺類のほか、お寿司や天ぷら、お刺身を食べる人も多いです。
まとめ
年越しそばを食べなくても、悪いことが起きるわけではありません。
年越しそばは、長寿や厄落としなどの願いを込めて江戸時代から続いてきた縁起担ぎです。
いまも約8割の人が食べていますが、2割ほどの人は食べていませんし、元日やお正月の半ばにそばやうどんを食べる地域もあります。
大事なのは、そばを食べたかどうかより、一年をねぎらって新しい年を迎える気持ちです。
今年の大みそかは、家族みんなが気持ちよく食べられるものを囲んで、ゆったり年を越してみてはいかがでしょうか。