文化祭そのものより、その前の準備でしんどくなる人は多いです。
放課後に残り、土日も呼ばれ、夏休みまで練習で埋まっていく。
「夏休みの練習が9時から16時で、休みの大半が消える。」
「バイトもあるし、どこかへ行きたいし勉強もしたいのに」。
高校生からは、こんな声が上がっています。
準備が嫌なのではなく、時間を丸ごと持っていかれることがつらい、というケースは少なくありません。
この記事では、めんどくさいと感じる理由を3つに分けたうえで、抜けたいときにどう伝えれば揉めないかを整理します。
サボることをすすめるでも、我慢して参加しろというでもありません。
負担を減らす具体的な手を並べて、選ぶのは読んだ人に任せる形にしています。
この記事は文部科学省の学習指導要領など公表されている資料と、実際に同じ立場を経験した人の証言をもとに執筆しています。
まずは、自分がどのタイプでしんどくなっているのかを見ていきましょう。
文化祭の準備がめんどくさい理由は3種類ある
同じ「めんどくさい」でも、中身が違えば効く手も変わります。
準備がつらい理由は、時間が奪われること、人間関係がしんどいこと、作業量が不公平なことの3つに分かれます。
つらいと言われている中身を並べてみると、この3つがはっきり分かれていることが分かります。
どれかひとつだけの人もいれば、3つとも重なっている人もいます。
時間型は減らす交渉、人間関係型は居場所を変える交渉、不公平型は割り振りの話し合いと、必要な相談先も内容も違います。
まとめて「めんどくさい」で処理すると、どれにも効かない対処を選んでしまいます。
準備の時間が長すぎると感じるとき
まずは一番多い、時間の問題から見ていきましょう。
準備の時間量そのものは、行事の目的として決められているものではありません。
文部科学省の学習指導要領では、文化祭にあたる文化的行事の内容がこう定められています。
平素の学習活動の成果を発表し、その向上の意欲を一層高めたり、文化や芸術に親しんだりするような活動を行うこと。
目的として書かれているのは、学習の成果を発表することと、文化や芸術に親しむことです。
準備に全員が同じ時間をかけることは、どこにも含まれていません。
つまり夏休みを何日使うか、放課後に何時まで残るかは、そのクラスや実行委員が決めた運用の部分です。
決められた枠ではないので、話し合いの対象になります。
とくに効くのが最後の一つです。
予定を後から出すと「抜けたがっている」と受け取られますが、先に出しておけば「その日は無理な人」として組み込まれます。
同じ欠席でも、扱いがまったく変わります。
受験勉強と準備が両立できないとき
時間の問題のなかでも、受験生の場合は事情が重くなります。
準備を優先するか勉強を優先するかに正解はなく、どちらを選んでも失うものがある、というのが実際に経験した人の話です。
オリエンタルラジオの中田敦彦さんは、高校3年生のときに演劇の副演出に立候補しながら、受験勉強を理由に夏休みの練習へ一度も参加しませんでした。
その結果、クラスに居場所がなくなったと語っています。
ここまでは「だからサボるな」という話に聞こえます。
ところが続きがあります。
ところが後年、当時の演出担当者に確認したところ、中田さんが副演出だったこと自体を「覚えてない」と言われたそうです。
一生気まずいままになるのではないか、という不安で身動きが取れなくなっている場合、この後日談は判断の材料になります。
重いのは選択そのものより、当時の空気のほうだということです。
準備をサボるとどうなるのか
続いて、実際に抜けた場合の話です。
準備を休んだことが成績や進路に直結した、という記録は見当たりません。ただし当日から片付けまでの空気には影響します。
中学1年で準備を休み、先生と同級生に叱られたという人も、長い目で見れば将来に影響はなかったと書いています。
学校の記録に残るのは出席の扱いであって、準備にどれだけ出たかではありません。
問題になるのは、そこではなく人間関係のほうです。
つまり実害は「休んだこと」ではなく「連絡がないまま抜けたこと」に集中します。
次の見出しで、そこを避ける方法を整理します。
準備を抜けるときの伝え方
ここが、揉めるかどうかの分かれ目になります。
抜けること自体より、いつ伝えたか・引き継いだかで受け取られ方が変わります。
準備をまとめている側から見ると、何が困るのかははっきりしています。
放課後や土日に残っている生徒は、来ない人について「連絡がないまま来ない」「SNSでは準備が大変だと言っているのに実際は作業していない」「本番だけ写真を撮っている」「最後の片付けにも来ない」という不満を口にします。
裏返せば、これを避ければ抜けても角は立ちにくいということです。
最後の項目は細かく見えますが、実際に不満として名指しされている点です。
やっていないことより、やっているように見せることのほうが反感を買います。
準備だけでなく当日そのものがつらい場合は、休む判断の目安を別の記事で整理しています。
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文化祭に行きたくないときどうする?準備・当日・打ち上げ別の過ごし方
文化祭に行きたくないと感じたときの選択肢を、準備・当日・打ち上げの3つの場面に分けて整理しました。団結の空気が苦手なとき、全員強制と言われたとき、休んだ場合の出席や単位、理由の伝え方、子どもが行きたくないと言ったときの対応まで解説します。
体調や登校の事情で準備に行けないとき
ここまでは「行けるけれど行きたくない」場合の話でした。
事情が違う場合を分けておきます。
体調や登校の状況で行けない場合は、サボりとは別の問題として担任に伝えるほうが結果的に楽になります。
17歳の高校生に、こんなケースがあります。
クラスに馴染めず一人で過ごしていて、別室登校を検討している。
体調が悪く早退や欠席が続いていて、準備を5時間休んでしまった。
クラスメイトに迷惑をかけたと感じていて、当日のシフトも体調次第では出られないかもしれない。
参加しないと文化祭のあと教室に行きづらくなるのではないか、という状況です。
ここで気になるのは、本人が自分を責めていることです。
サボりたい人向けの情報だけを読んでいると、行けない人は自分を責める材料しか手に入りません。
事情があるなら、隠すより先に伝えたほうが選べる手が増えます。
文化祭の準備でやる気のない人がいるとき
最後に、逆の立場からも見ておきます。
同じ悩みは、抜けたい側だけでなく、準備をまとめる側からも聞かれます。
全員を同じ熱量にすることは目的ではないので、動く人を確保するほうに切り替えると進みます。
まとめ役の立場では、やる気のない人への対応として次の点が挙げられます。
全員をまとめようとしない、やる気のある人を頼る、そして声のかけ方を変える、という3点です。
「みんなでやることに意味がある」と誘われて断ったという人は、「みんな」は必ずしも一人ひとりを尊重しない、と書いています。
その人は結局、友人との個人的なつながりから自発的に手伝うようになりました。
全員参加を掲げるほど人が離れ、個別に頼むと動く。
まとめる側から見ても、これは覚えておく価値のある逆説です。
クラスの意見を1本にそろえる場面については、スローガンの決め方を例に手順をまとめています。
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文化祭スローガンの決め方!タイプ別の選び方とクラスでまとめる手順
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文化祭の準備に関するよくある質問
文化祭の準備をサボるとどうなりますか?
準備の出欠が成績や進路に直結したという記録は見当たりません。影響が出るのは人間関係のほうで、とくに連絡がないまま抜けた場合に反感を買いやすくなります。
準備に行きたくないときはどうすればいいですか?
全部休むか全部出るかではなく、参加する曜日を区切る、持ち帰りできる作業に替えてもらう、といった減らし方を先に相談する方法があります。
準備を休む理由は何と言えばいいですか?
模試、バイト、通院など具体的な理由を一つだけ伝えるのが伝わりやすいです。理由を並べるほど言い訳に見えるので、一つで十分です。
受験勉強と準備は両立できませんか?
どちらを選んでも失うものがあるというのが、実際に片方を選んだ人の話です。ただし周囲は思っているほど長く覚えていない、という後日談も残っています。
体調が悪くて準備に行けないときはどうすればいいですか?
サボりとは別の問題なので、担任に事情を伝えてください。知っていればシフトを最初から外して組めますし、クラスへの説明も担任からのほうが角が立ちません。
夏休みの練習は必ず参加しないといけませんか?
練習の日数や時間はクラスや実行委員が決めた運用で、行事の目的として定められているものではありません。動かせない予定は先に一覧で共有しておくと、欠席として扱われにくくなります。
やる気のないクラスメイトにはどう声をかければいいですか?
「みんなやってるから」「なんでやらないの」は心を閉ざされやすい言い方です。得意分野を名指しして作業の一部だけ頼むほうが動いてもらいやすくなります。
準備を抜けたあと、当日どう振る舞えばいいですか?
片付けだけでも出ると印象が変わります。逆に本番だけ楽しんで片付けに来ない形が、最も反感を買いやすいパターンです。
まとめ
文化祭の準備がめんどくさいという言葉には、時間を奪われるつらさ、人間関係のつらさ、割に合わないという不満が混ざって入っています。
どれなのかを自分で見分けないまま「行くか行かないか」だけを考えると、減らせたはずの負担がそのまま残ります。
準備にどれだけの時間をかけるかは、行事の目的として決められているものではなく、そのクラスの運用です。
だからこそ話し合いの対象になりますし、動かせない予定を先に出しておくだけでも扱いは変わります。
そして抜けると決めた場合も、問題になるのは休んだことより、連絡がないまま消えることのほうでした。
伝える時期と引き継ぎさえ押さえておけば、抜けた事実は思っているほど尾を引きません。
当事者以外は、意外と覚えていないものです。