修学旅行が近づくと、行事そのものより先に「誰と回るか」が気になってきますよね。
「クラス替えで友達が一人もいなくて、班決めが不安。
3人グループに入れてもらおうと思っているけど、内心では嫌がられるんじゃないか」。
怖いのは旅行そのものではなく、その前に決めなければいけないことのほう、というケースは多いです。
この記事では、不安になる場面を班決め・移動・自由行動・宿泊の4つに分けて、それぞれ何ができるかを整理します。
行くか休むかという話ではなく、参加する前提で不安を減らす方法をまとめています。
この記事は文部科学省の学習指導要領など公表されている資料と、実際に同じ場面を経験した人の声をもとに執筆しています。
まずは、自分がどの場面でつまずきそうなのかを見ていきましょう。
修学旅行のぼっちは場面ごとに怖さの中身が違う
同じ「ひとりになりそう」でも、どの場面かによって打てる手はまったく変わります。
修学旅行で不安になる場面は、班決め・移動中の座席・自由行動・宿泊の4つに分かれ、それぞれ相談先も準備も違います。
実際に怖いと言われている場面を並べると、自由行動だけではありません。
むしろ手前の段階でつまずいている人のほうが多く見られます。
このうち宿泊の時間について書かれた情報はほとんど見当たりません。
ところが実際には、夜の自由時間をどう過ごしたかを詳しく書いている体験談があります。
順番に見ていきます。
修学旅行の班決めで余りそうなとき
まずは一番手前の、班決めからです。
班は最終的に先生が調整するので、一人だけ入れないまま当日を迎えることは基本的にありません。
不安の中身は「入れないこと」ではなく、「入れてもらったときに嫌がられるのではないか」というほうに寄っています。
3人グループに入ろうと考えたうえで嫌がられないかを気にしていました。
ここには前提の思い違いがあります。
班編成はクラス全員が必ずどこかに入る仕組みなので、受け入れる側も「断る」という選択肢を持っていません。
嫌がられるかどうかを気にする場面ではなく、入ったあとにどう振る舞うかの話になります。
小学6年生の子が班決めで「どこでもいい」と答えた結果、仲のいい子がいない班になってしまった、というケースもあります。
希望を出さないことは、譲ることではなく、決定権を手放すことです。
バスや新幹線の席がひとりになりそうなとき
続いて移動中です。
ここは班決めとは別に、独立して不安になる場面です。
2人がけの座席で人数が合わないときは、先生に伝えれば席順の組み方そのものを変えてもらえます。
中学1年生で、クラスの女子が奇数のためバスのペアが1人余りそうだ、というケースがあります。
「一人にならないにはどうすればいいですか。
怖いです」という言葉が使われていました。
これに対して挙がっていたのは、次のような内容でした。
人数が奇数であることは本人の問題ではなく、クラスの構成の問題です。
先生に「奇数なので余ります」と伝えるだけで、くじ引きに変えるか席順を先生が決めるかの判断が入ります。
自分で解決しようとしなくていい場面です。
修学旅行の自由行動をひとりで過ごす方法
ここが最もよく語られている場面です。
自由行動は、事前にどこへ行くかを細かく決めておくほど楽になります。
迷っている時間が、そのまま所在なさに変わるからです。
高校時代にひとりで過ごしたという人が、具体的な過ごし方を書いています。
ディズニーへの修学旅行で、次のような形で乗り切ったそうです。
とくに効いているのが2つ目です。
行き先が決まっていれば、立ち止まっている時間そのものが減ります。
手持ち無沙汰に見えるのは、何をするか決まっていないときだからです。
同じ「ひとりで行事を過ごす」という場面は、文化祭でも起きます。
当日の過ごし方については下記の記事でも整理しています。
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文化祭に行きたくないときどうする?準備・当日・打ち上げ別の過ごし方
文化祭に行きたくないと感じたときの選択肢を、準備・当日・打ち上げの3つの場面に分けて整理しました。団結の空気が苦手なとき、全員強制と言われたとき、休んだ場合の出席や単位、理由の伝え方、子どもが行きたくないと言ったときの対応まで解説します。
日帰りの遠足でも、自由に動く時間の不安は同じ形で出てきます。そちらの対処は下記にまとめました。
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遠足に行きたくないのはなぜ?休む判断と当日の身の置き方
遠足に行きたくないときの判断材料を整理しました。つらいのが弁当と自由行動である理由、年齢による理由の違い、休ませるかどうかで割れる意見、休む前に学校に確認できること、休む場合の伝え方、行く日の過ごし方、親子遠足の場合までを解説します。
班からはぐれたときのために決めておくこと
自由行動には、もうひとつ触れられていない問題があります。
はぐれたときの集合場所と連絡手段を出発前に決めておくと、長時間ひとりで待つ事態を防げます。
テーマパークの自由時間に、小学6年生の子が班からはぐれ、2時間ほどひとりでいたことがあります。
同じ班の子たちは別の班の友達に入れてもらっていましたが、その子は「他の班に混ぜてもらう」ことも「先生に助けを求める」こともできませんでした。
ここで起きていたのは、ひとりになったことより、次にどうすればいいか決まっていなかったことです。
この5つを紙に書いて持っておくだけで、はぐれても2時間待つことにはなりません。
班のメンバーと仲がよくない場合ほど、事前に決めておく価値があります。
部屋割り・お風呂・夜の時間をどう過ごすか
続いて、あまり語られていない宿泊の時間です。
夜は自由時間が長く、話す相手がいないときは自分の過ごし方を用意しておくと持ちます。
ひとりで修学旅行を過ごした人の話には、夜についての記述もありました。
ホテルのロビーで動画を見て過ごし、母親と何度も連絡を取ることで乗り切ったそうです。
夜の時間は、無理に会話へ入るより、自分の時間として設計してしまうほうが消耗しません。
朝には次の行程が始まるので、体力を残すほうが結果的に楽になります。
修学旅行のことを先生に相談するときの言い方
ここまで何度も「先生に相談する」と書いてきましたが、実際には言い出しにくい場面です。
「友達がいないので入れてください」と言う必要はなく、事実だけを伝えれば先生は動けます。
「先生に相談を」と言われることは多いのですが、何と言えばいいかまでは教えてもらえません。
ここでつまずいて、言えないまま当日を迎える人が出ています。
共通しているのは、気持ちではなく状況を伝えていることです。
「不安です」「つらいです」だと先生も具体的に動きにくいですが、「奇数なので余ります」なら席順の決め方を変えるという対応につながります。
修学旅行の目的に「友達と回ること」は入っていない
最後に、前提そのものを確認しておきます。
文部科学省の学習指導要領では、修学旅行にあたる行事の目的が定められていますが、そこに友達と一緒に行動することは含まれていません。
学校行事は5つの種類に分かれていて、修学旅行は「旅行・集団宿泊的行事」にあたります。
その内容はこう書かれています。
平素と異なる生活環境にあって,見聞を広め,自然や文化などに親しむとともに,集団生活の在り方や公衆道徳などについての望ましい体験を積むことができるような活動を行うこと。
目的として挙げられているのは、次の3つだけです。
仲のいい友達と回ることも、写真をたくさん撮ることも、行事の目的として決められているわけではありません。
そう考えると、ひとりで行き先を選んで回ることは、目的から外れた過ごし方ではないことになります。
むしろ自分で下調べをして計画を立てるほうが、見聞を広めるという趣旨には近いとも言えます。
「友達と回れないと修学旅行は失敗」というのは、行事の側が求めていることではありません。
子どもがぼっちになりそうだと言ったとき
最後に、保護者側の関わり方です。
この不安は本人だけでなく、親からも語られています。
親ができるのは説得することではなく、担任に状況を伝えて手当てが入る形を作ることです。
修学旅行の説明を聞いて涙が出たという保護者もいますし、自由時間に子どもがはぐれて2時間ひとりでいたというケースもあります。
子ども本人と同じくらい、親も動き方が分からない状況にあります。
4つ目は細かく見えますが、効き方が違います。
友達の話を聞かれると答えられないことが増えますが、行き先の話なら本人が主導権を持って話せます。
同じ「行事に行きたくない」という悩みは運動会でも起きます。
学年や行事が違っても、親の関わり方には共通する部分があります。
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運動会 行きたくないのはなぜ?親も子どもも無理しない対処法
運動会に行きたくないと感じたら、まず理由を分けて考えるのがおすすめです。子どもと親それぞれが行きたくない理由、子どもへの声かけ、無理に行かせる前に確認したいこと、当日の朝に言われたときの対応、休むかどうかの考え方、先生への相談まで解説します。
そもそも行くかどうかを家で話すところで止まっている場合は、伝え方と決める期限を下記の記事でまとめています。
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修学旅行行きたくない?親の説得より効く伝え方と決める期限
修学旅行に行きたくないと親に伝えるときの言い方を整理しました。説得しようとすると対立になる理由、結論より場面を先に話すコツ、行かない人の実際の割合、いつまでに決めればいいかの目安、学校への連絡とキャンセル料の扱いまで解説します。
修学旅行のぼっちに関するよくある質問
修学旅行の班決めで余ったらどうなりますか?
最終的には先生が調整するため、どこにも入れないまま当日を迎えることは基本的にありません。心配な場合は「班が決まらなかった場合はどうなりますか」と先に聞いておくと安心できます。
バスの席がひとりになりそうなときはどうすればいいですか?
人数が奇数であることはクラスの構成の問題です。先生に「奇数なので余ります」と伝えれば、くじ引きにするか席順を先生が決めるかの判断が入ります。
自由行動をひとりで過ごすコツはありますか?
事前に行き先を細かく決めておくことです。迷っている時間がそのまま所在なさに変わるので、順路が決まっているだけで過ごしやすくなります。
班からはぐれたらどうすればいいですか?
出発前に集合場所・時刻・連絡する相手・つかないときに頼る先生を決めておいてください。決めていないと、その場で動けずに長時間待つことになります。
夜の自由時間は何をすればいいですか?
イヤホンとダウンロードした動画、読みかけの本などを用意しておくと持ちます。家族と連絡を取る時間をあらかじめ決めておく方法もあります。
先生には何と言えばいいですか?
気持ちではなく状況を伝えてください。「不安です」より「奇数なので余ります」のほうが、先生は具体的に動けます。
ひとりで回るのは修学旅行として問題ないですか?
学習指導要領で定められている目的は、見聞を広めること、自然や文化に親しむこと、集団生活の在り方を体験することの3つで、友達と一緒に回ることは含まれていません。
子どもがぼっちになりそうだと言ったら親は何をすればいいですか?
班決めの形式を担任に確認し、はぐれたときの決めごとを一緒に作ってください。「友達できた?」ではなく「どこ行くか決まった?」と聞くほうが本人も答えやすくなります。
まとめ
修学旅行がぼっちで不安という言葉には、班決め・座席・自由行動・宿泊という別々の場面が混ざって入っています。
どの場面が怖いのかを分けないまま不安だけを抱えると、先生に伝えることも、事前に用意しておくこともできないまま当日を迎えることになります。
そして共通していたのは、ひとりになったこと自体より、次にどうすればいいか決まっていなかったことのほうが苦しさを長引かせている点でした。
はぐれたときの集合場所を決めていれば2時間待つことはなく、行き先を決めていれば立ち止まる時間は減ります。
行事の目的として定められているのは、見聞を広めること、自然や文化に親しむこと、集団生活を体験することでした。
友達と回ることは、そこに書かれていません。
ひとりで下調べをして自分の順路で回ることは、目的から外れた過ごし方ではないということです。