文化祭が近づいてまわりが盛り上がるほど、「自分だけ気持ちがついていかない」と感じることがありますよね。
文化祭に行きたくないときは、準備・当日・打ち上げのどこがつらいのかを先に切り分けると、休む以外にも関わる時間や役割を減らすといった選択肢が見えてきます。
打ち上げは学校行事ではないので、参加しなくても制度上の不利益はありません。
この記事では、行きたくない気持ちを3つの場面に分けて、それぞれの過ごし方を整理しました。
出席や単位の細かい扱いは学校ごとの規程で決まるため、この記事では制度上どう位置づけられているかまでを整理し、最終確認は担任や学年主任に向ける形にしています。
この記事は、文部科学省の学習指導要領などの公表資料と実際に同じ悩みを経験した人の声をもとに整理しています。
まずは、自分がどの場面でつらくなっているのかを見ていきましょう。
文化祭に行きたくないのは準備・当日・打ち上げのどれ?
同じ「行きたくない」でも、しんどい場面が違えば取れる手はまったく変わります。
文化祭に行きたくないと感じたときは、準備期間・当日・打ち上げのどこがつらいのかを先に切り分けると、休む以外の選択肢が見えてきます。
つらいと言われている場面も、この3つにきれいに分かれるのです。
準備の作業やシフトが終わらないという声、当日に一人になるのが不安だという声、そして打ち上げや後夜祭が重いという声です。
ところが調べてみると、準備の話だけ、当日の話だけと片方に寄った情報が多く、自分がどこで詰まっているのかを整理してくれるものがなかなか見つかりません。
3つとも重いのか、1つだけ避けたいのかで、選べる手はまったく変わります。
文化祭の準備に行きたくないときにできること
まずは準備期間から見ていきましょう。ここは拘束時間が長い分、しんどさが積み上がりやすい場面です。準備がつらいときは、全部休むか全部出るかではなく、関わる時間と役割を減らす交渉が現実的な着地点になります。
たとえば、高校1年生のこんなケースがあります。クラスの出し物が動画とダンスに決まり、本人はダンスが苦手なのでカメラマンを担当していたところ、学級委員から「最後のダンスは全員強制」と言われた。しかも話し合いが長引いて、電車で1時間以上かけて帰る日が続いている、という内容です。
この相談で注目したいのは、準備そのものを拒否しているわけではないという点です。カメラマンとして参加していて、帰りが遅いことと、苦手なダンスを強制されることに困っています。
実際に「担任に事情を話して別室での作業を認めてもらった」という人もいます。全休か全参加かの二択で考えているうちは、この中間の選択肢が視野に入りません。
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文化祭の当日に行きたくないときの過ごし方
続いて当日です。準備は乗り切ったのに、当日になって足が止まるという人も多い場面です。
当日つらくなる理由は「一人でいるのが目立つ気がする」ことに集中していて、実際には一人で回っている人は思っているより多くいます。実際に一人で当日を過ごした高校生からは、吹奏楽部や軽音部などのステージ発表を見に行く、自分の行きたい場所を好きな順番で回る、人手が足りない出し物に入ってみる、といった過ごし方が挙がっています。
「誰も自分のことなんて見ていない」という声もあるのです。
当日は時間が長いので、「何をするか」より「どこにいるか」を先に決めておくほうが楽になります。
行き先が決まっていれば、廊下で立ち止まる時間が減るからです。
文化祭の「団結しよう」という空気が苦手なとき
ここが、いちばん多くの人が引っかかっている部分です。つらさの中身が「ぼっちが寂しい」ではなく、クラス全体が団結していく雰囲気そのものが受けつけない、という人がいます。その人は、普段の授業や休み時間は問題なく過ごせるのに、行事の集団活動になると耐えられなくなる、と書いています。発言を求められるわけでも指名されるわけでもないのに、みんなで何かを決める場にいること自体がつらい、という感覚です。
ここで一度、文化祭が制度上どういうものとされているかを確認しておきます。文部科学省の学習指導要領では、特別活動の学校行事のひとつとして文化的行事が定められていて、その内容はこう書かれています。平素の学習活動の成果を発表し、その向上の意欲を一層高めたり、文化や芸術に親しんだりするような活動を行うこと。この定義のどこにも、「クラスで団結する」「全員が同じことをする」とは書かれていません。
学習の成果を発表することと、文化や芸術に親しむこと。この2つが文化祭の目的として示されているだけです。つまり団結や一体感は、行事の目的そのものではなく、現場で自然発生した空気のほうだということになります。
その空気に乗れないことは、行事の趣旨から外れているわけではありません。
もちろん、これを言えば空気が変わるという話ではありません。
ただ「乗れない自分がおかしいのでは」と感じている場合には、判断の物差しを一つ増やす材料にはなります。
文化祭で「全員強制」と言われたときの考え方
先ほどの「全員強制」も、この視点から整理できます。
クラスや実行委員が決めた「全員参加」は、学校の規程ではなくクラス内の合意なので、担任を通せば見直しの余地があるのです。
ダンスや出し物への参加を「全員強制」と言われて困っている、という相談は実際にとても多く寄せられています。
代案を持っていくと、話が「参加するかしないか」から「どの形で関わるか」に移ります。
ダンスに出ない代わりに撮影と編集を全部やる、という交換であれば、クラス側にとっても損がありません。
文化祭を休むと出席や単位はどうなる?
ここまでは休まずに済ませる方法でしたが、それでも無理なときの話をします。
文化祭は教育課程に含まれる学校行事なので授業日にあたりますが、欠席が成績や単位にどう影響するかは学校ごとの規程で決まっています。
インターネット上には「内申に大きく影響しなかった」「成績に直接影響を与えない」といった体験談が並んでいますが、これは書いた人の学校でそうだったという話であって、すべての学校に当てはまる保証はありません。
高校生からは「休んだら単位に響くのではないか」という不安がとても多く挙がります。ただし必要な出席時数も、欠席の扱いも、各校の学則で決まっているため、ネット上の情報では判断できません。
確実なのは、担任か学年主任に「この日を休んだ場合、出席の扱いはどうなりますか」と直接聞くことです。理由を全部説明しなくても、扱いを確認するだけなら聞けます。
大学の学園祭は授業日ではないことが多く、参加しないことによる不利益は基本的にありません。運営に関わっている場合を除けば、行かないという選択がそのまま取れます。
文化祭を休む理由をどう伝えるか
休むと決めたあとに残るのが、伝え方の問題です。
理由は正直に全部説明しなくてもよく、体調や家庭の都合として伝えるのが一般的ですが、当日の朝ではなく事前に伝えるほうが揉めにくくなります。
準備の役割を持っている場合、当日に急に抜けると誰かがその穴を埋めることになるのです。
前もって伝えておけば、シフトの組み替えが間に合います。
「休んだら嫌われるのではないか」という不安も、とても多く聞かれます。
つまり多くの人が気にしているのは、休むこと自体よりも、そのあとの人間関係のほうだということです。
実際に問題になるのは休んだことより、突然いなくなって連絡がつかないことのほうです。
文化祭の打ち上げ・後夜祭に行きたくないとき
意外と相談が多いのに、あまり書かれていないのが終わったあとの場面ですね。
打ち上げや後夜祭は学校行事ではなく生徒同士の集まりなので、参加しないことに制度上の不利益はありません。
打ち上げや後夜祭に行きたくない、という悩みも実際に多く挙がっています。
文化祭本体は乗り切ったのに、そのあとの集まりで気力が尽きる、というパターンです。
後夜祭が学校のプログラムに組み込まれている場合は、時間割上どう扱われているかを確認する必要があります。
一方、有志の打ち上げは完全に任意なので、行くかどうかを迷う必要のない場面です。
子どもが文化祭に行きたくないと言ったとき
最後に、保護者側の関わり方です。この悩みを抱えているのは本人だけでなく、親も同じだからですね。
子どもが行きたがらないときは、理由を問い詰める前に、準備・当日・打ち上げのどこがつらいのかを一緒に切り分けるところから始めると話が進みます。「学校祭に行かない息子にどう接すればいいのか」「ぼっちが嫌だと言いながら出かけていった息子が心配」。
保護者からの声もいくつも上がっていて、子ども本人と同じくらい、親も答えを探している状況です。
出席の扱いを学校に確認する役割は、子ども本人より親のほうが動きやすい部分です。本人が言い出しにくいことを代わりに聞く、という形で関わると、家庭の中で対立せずに済みます。同じ「行きたくない」でも、行事が変われば理由も対応も変わります。運動会について整理した記事もあわせてご覧ください。
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文化祭に行きたくないときのよくある質問
文化祭を休むとどうなりますか?
授業日にあたるため欠席として記録されますが、成績や単位への影響は学校ごとの規程で決まります。ネット上の体験談は書いた人の学校の話なので、担任か学年主任に扱いを確認するのが確実です。
文化祭は休んでもいいですか?
制度上、欠席が認められないわけではありません。ただし準備の役割を持っている場合は、シフトを組み直せる時期に伝えておくと影響が小さくなります。
文化祭を休む理由は何と言えばいいですか?
体調不良や家庭の都合として伝えるのが一般的です。家庭の事情を理由にする場合は、家の人と話を合わせておくと、あとで食い違いません。
文化祭で一人でも大丈夫ですか?
ステージ発表を観る、展示を自分のペースで回る、シフトの裏方に入るなど、一人でも所在なさを感じにくい過ごし方があります。行き先を先に決めておくと廊下で立ち止まる時間が減ります。
準備に行きたくないときはどうすればいいですか?
全休か全参加かではなく、参加する日を限定する、裏方の役割に替えてもらう、別室で作業させてもらうといった中間の選択肢を担任に相談する方法があります。
「全員強制」と言われたら断れませんか?
クラスや実行委員が決めた全員参加は学校の規程ではないため、担任を通して見直せる余地があります。代わりに引き受けられる役割を用意して提案すると話が進みやすくなります。
打ち上げや後夜祭は行かないとまずいですか?
有志の打ち上げは学校行事ではないため、参加しないことによる制度上の不利益はありません。後夜祭が学校のプログラムに入っている場合だけ、時間割上の扱いを確認してください。
子どもが文化祭に行きたくないと言ったらどうすればいいですか?
理由を問い詰めるより、準備・当日・打ち上げのどこがつらいのかを一緒に整理してください。出席の扱いを学校に確認する役割は、親のほうが動きやすい部分です。
まとめ
文化祭に行きたくないという言葉には、まったく違う状況がまとめて入っています。
準備の拘束が長いのか、当日一人になるのが不安なのか、終わったあとの集まりが重いのか。
ここを切り分けないまま「行くか休むか」で考えると、選べたはずの中間の手が全部消えてしまいます。
そして制度の側から見ると、文化祭は学習の成果を発表し、文化や芸術に親しむための学校行事として定められているだけで、団結することも全員が同じ役割を担うことも求められていません。
クラスの空気に乗れないことと、行事に参加できないことは、本来別の話です。
休むかどうかを決める前に、参加する時間を減らせないか、役割を替えられないかを一度考えてみてください。
それでも無理なら、出席の扱いを確認したうえで休むという判断も、行事の趣旨に反するものではありません。