七五三の準備を始めると、着物や神社より先に決まらないのが「誰を呼ぶか」ですよね。
親子3人で近所の神社にお参りするつもりだったのに、義母から「写真もお参りもこちらでやりなさい」と言われ、車で1〜2時間かけて義実家側でやり直す流れになりかけた——そんなケースもあります。
しかも困っているのは義母の要求そのものではなく、夫が「もう何もかもめんどくさい」と言って義母側に合わせ始めたことのほうでした。
この記事では、
実際に祖父母を呼んでいる家庭がどのくらいあるのかをデータで確認したうえで、呼ばない場合の伝え方と、費用や日程の落としどころを整理します。
義両親を悪者にする記事ではありません。
負担がどこで生まれているかを分けて、減らせる部分を探す形にしています。
この記事の調査データは公表されている原典を確認し、調査主体・時期・回答数を明記したうえで引用しています。
まずは、負担がどこで生まれているのかを見ていきましょう。
七五三で義両親がめんどくさいと感じる場面は決まっている
同じ「めんどくさい」でも、どこで負担が生まれているかによって打てる手は変わります。
負担の中身は、日程の調整・移動の距離・費用の出どころ・当日の口出しの4つにほぼ分かれます。
実際にあったケースを並べると、感情の問題に見えて中身は条件の問題だった、というものが少なくありません。
この4つは、それぞれ別の手で減らせます。
日程は開催日をずらす、移動は場所を動かさない、費用は受け取り方を決める、当日は参加の範囲を区切る。
まとめて「義両親が面倒」で処理すると、どれにも手が付きません。
七五三に祖父母が参加しなかった家庭は45%
続いて、実際にどのくらいの家庭が祖父母を呼んでいるのかを見ておきます。
ここが多くの人の想像とずれている部分です。
祖父母が七五三のお参りに参加しなかった家庭は45%でした。半数近くが親子だけで済ませています。
写真スタジオが運営するメディアPINTOが2023年8月に、全国の20〜30代のママパパ100人へ行ったインターネット調査の結果です。
呼ばなかった理由として最も多かったのは「両家の祖父母ともに遠方のため」でした。
日程調整の難しさや、大人数での移動の大変さも挙がっています。
なお、この調査は写真スタジオが自社メディアで行ったもので、回答数も100人です。
社会全体の割合をそのまま示すものではなく、傾向として見るのが適切です。
それでも押さえておきたいのは、呼ばない家庭が例外ではないということです。
「呼ばないのは非常識では」という不安から始まっている場合、その前提自体を一度置き直せます。
父方だけ参加していない家庭は実際に多い
同じ調査には、もうひとつ見過ごせない数字があります。
参加した55人の内訳を見ると、母方の祖父母だけが参加した家庭が23人だったのに対し、父方だけは10人と2倍以上の差がありました。
両家そろって参加した家庭は22人で、全体の2割ほどです。
つまり「両家平等に呼ぶ」が標準というわけではなく、片方だけという形のほうが多くなっています。
そして片方だけの場合、選ばれているのは母方が2倍以上でした。
里帰りのしやすさや、母親側の実家との距離が近いことが背景にあると考えられます。
義両親だけが来ていない家庭は、珍しいどころか実際にはよくある形だということです。
この点は、事前に伝えるときの心理的な負担を下げてくれます。
もめるのは「相談」ではなく「報告」にしたとき
呼ばないと決める前に、もう一つ押さえておくことがあります。
実際にこじれた家の話には、共通点があります。
もめている家は、呼ばないと決めてから伝えていました。もめていない家は、決める前に相談しています。
たとえば、5歳の七五三を家族3人でやりたいと考えた家庭があります。
3歳のときは両家を呼んで祈祷と食事会をしていて、今回は共働きで休みが合わないという事情がありました。
実家側は「家族で決めたことなら」と受け入れたのに、夫の母親だけが「蚊帳の外にされた」と強く反発しています。
この相談に寄せられた答えのなかで最も支持されたのは、「先に相談すべきだった。
決まったあとの報告だったから、無視されたと受け取られた」というものでした。
内容は同じでも、聞かれた側の受け取り方は変わります。
相談の形にしておけば、たとえ結論が同じでも「自分は数に入っていた」という事実が残るからです。
前に呼んでいると、次も呼ぶ前提になる
続いて、もう1つの分かれ目です。
これは意外と見落とされます。
前回の行事で祖父母を呼んでいると、次も呼ぶものとして待たれています。
先ほどの家庭は、3歳の七五三で両家を呼んでいました。
別の家庭では、お宮参りと1歳の誕生日で両家を呼んだあと、七五三は家族だけにしようと決めています。
どちらも「前回は呼んだのに今回は呼ばない」という形で、そこがきっかけになっていました。
後者の相談には、100件を超える意見が寄せられています。
そして目立ったのは、相談した本人に厳しい指摘のほうでした。
一方で、うまく切り替えた例もあります。
1人目のときは両家を呼び、2人目からは家族だけにしたという家庭です。
前例を変えること自体は問題になっていません。
前例があるなら、変える回だけは前もって話しておく。
これが2つ目の分かれ目です。
1回目から家族だけでやってきた家は、そもそもこの問題が起きません。
祖父母にとって行事は数少ない接点になっている
反対側の事情も見ておきます。
ここが分かると、反応の大きさに納得がいきます。
祖父母世代は孫にかける金額を増やしている一方で、直接会う以外の連絡は減っています。
55歳から87歳で孫がいる女性259名への調査では、孫のための年間支出が平均で約18万円でした。
2023年の調査より3.7万円増えていて、年20万円以上を使う人の割合も18.8%から24.3%に上がっています。
ハルメク 生きかた上手研究所が2025年3月18日から21日にかけて実施したWEBアンケートです。
お金は前より使っているのに、日常的な連絡は減っている。
そうなると、会える機会が行事に集中します。
七五三やお宮参りが「数少ないチャンス」になっていれば、そこを外されたときの反応が大きくなるのは自然です。
ここに出口があります。
行事以外の接点を先に作っておけば、行事1回に集まっていた期待が分散します。
月に一度写真を送る、ビデオ通話をつなぐ、別の日に顔を見せに行く。
呼ばない選択をしやすくするのは、断り方の工夫よりも、普段の接点のほうです。
七五三に義両親を呼ばないときに必要な一言
呼ばないと決めた場合、問題になるのはその後の伝え方です。
呼ばないこと自体より、事後に知らせたことのほうが角を立てます。事前に「親子だけでお祝いする」と伝えておくのが基本です。
写真スタジオが示しているマナーも、この2点に集約されています。
ひとつは事前に親子だけで行う旨を伝えること。
もうひとつは終わったあとに写真を添えて報告することです。
理由は義両親についてではなく、子どもか距離のことにします。
「負担をかけたくないので」という形にすると、断られている感じが薄れます。
最後の項目が実務上いちばん効きます。
同じ内容でも、伝える人が変わるだけで受け取られ方が変わるためです。
なお、父方だけでなく両家をどうするかで迷っている場合は、もめる家ともめない家の分かれ目を下記にまとめています。
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七五三写真にがっかりしたら?撮り直しの可否と今からできること
七五三の写真にがっかりしたときにできることを整理しました。撮り直しができるのは納品前までであること、がっかりする5つの原因、写真がもう手元にある場合の対処、子どもが泣いてしまったとき、データを買うかどうか、次に撮るときの確認事項まで解説します。
お祝い金を受け取ると口出しが増えるという構造
費用の話は、感情と切り離して考えたほうが早く片づきます。
お祝い金や費用を出してもらうと、日程や場所の決定にも関わってもらう流れになりやすくなります。
実際に、義実家側の希望で開催地を動かしたのに交通費も宿泊費も食事代も自分たち持ちになり、立て替え分も返ってこなかったというケースがあります。
逆に、費用を出してもらったぶん撮影や写真選びに立ち会われ、あとから進め方について意見が来たというケースもあります。
お金の話を後回しにすると、費用と決定権がセットで動いてしまいます。
先に決めておけば、受け取っても口出しの範囲は限定できます。
七五三の日程を義実家に合わせなくてよくする方法
日程の調整は、条件を減らすだけで一気に楽になります。
平日にする、または写真だけ別日にすると、両家の予定を合わせる必要がなくなります。
11月の土日と大安を両方満たそうとすると候補日が数日しか残らず、そこに両家の都合を重ねるので決まらなくなります。
神社の混雑も土日に集中します。
最後の項目が折衷案として使いやすい形です。
撮影だけなら1時間程度で終わり、移動も1か所で済みます。
お参りと食事会まで一日中一緒に過ごすのとは、負担がまったく違います。
片方だけ呼ぶという選び方
両家か、どちらも呼ばないか。
その中間もあります。
距離や体調を理由に、片方の祖父母だけを呼ぶ形は実際に選ばれています。
遠方に住んでいる、高齢で長時間の外出が難しい、参加を辞退している。
こうした事情があれば、片方だけになるのは自然な流れです。
1つ目が肝心です。
あとから知る側になると、それだけで疎外感が生まれます。
順番を逆にするだけで受け取り方が変わります。
なお、住宅資金のような大きな援助を受けている場合は、判断が変わります。
相応の援助を受けながら行事から外すことについては、周囲の受け取り方が厳しくなる傾向があるので、無理に押し通さないほうが結果的に消耗しません。
夫が義両親側に流れてしまうときの進め方
ここが、実は最も相談が多い部分です。
義両親との調整より先に、夫と方針を1つに決めておかないと、どの対処法も機能しません。
親子だけでやるつもりだった予定が崩れかけたケースでは、義母の要求そのものより、夫が「もう何もかもめんどくさい」と言って義母に合わせる方向へ流れたことが問題になっていました。
費用トラブルのケースでも、夫が関与しなかったことが負担を大きくしています。
夫が中立でいると、義両親から見れば要求が通る余地があるように映ります。
方針が決まっていないから交渉が続くのであって、決まっていれば連絡は報告で済みます。
なお、話し合っても方針が定まらない場合は、七五三だけの問題ではなく家庭内の役割分担の話になります。
今回は形を小さくして乗り切り、次の行事までに整理する、という進め方も現実的です。
呼ばなかったあとの報告をどうするか
最後に、終わったあとの話です。
ここを丁寧にしておくと次が楽になります。
終わったあとに写真を送っておくと、呼ばなかったこと自体は問題として残りにくくなります。
呼ばない場合のマナーとして挙げられているのも、事前連絡と事後報告の2点でした。
会えなかったぶん、報告の密度を上げるという考え方です。
呼ばれなかったことより、様子が分からないことのほうが不満につながります。
写真1枚で埋まる部分は、先に埋めておくほうが結果的に自分が楽になります。
そもそも今年やるかどうかから迷っている場合は、実施率と中間の選び方を下記の記事でまとめています。
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七五三やらないのはあり?年齢と性別で違う実施率と中間の選び方
七五三をやらないのはありなのか。実施率が子どもの年齢と性別でどう違うかを調査から整理し、3歳の男の子は約半数がやっていないこと、やらない理由、ご祈祷をしないお参りなどの中間の選び方、やらないと後悔するのか、決めておくことまで解説します。
七五三と義両親に関するよくある質問
七五三に義両親を呼ばないのは非常識ですか?
調査では祖父母が参加しなかった家庭が45%あり、珍しい選択ではありません。ただし事後ではなく事前に伝えることが、角を立てないための条件になります。
祖父母を呼ぶ家庭はどのくらいありますか?
全国の20〜30代のママパパ100人への調査では、参加したのが55人、参加しなかったのが45人でした。両家そろって参加した家庭は22人です。
片方の祖父母だけ呼んでもいいですか?
同じ調査では、母方のみ参加が23人、父方のみが10人で、片方だけという形のほうが両家そろうより多くなっています。両家平等が標準というわけではありません。
呼ばないときは何と伝えればいいですか?
「子どもの負担を考えて親子だけでお参りします」「移動が長くなるのでこちらで済ませます」など、義両親についてではなく子どもか距離を理由にすると伝わりやすくなります。連絡は夫から夫の親へが基本です。
お祝い金をもらったらお返しは必要ですか?
食事会に招くこと自体がお返しになるという考え方があります。品物を贈る場合は2週間以内に、いただいた額の3分の1から半額が目安とされています。
日程が合わないときはどうすればいいですか?
平日にする、写真とお参りを別日にする、11月以外にずらすなど、条件を減らすと決まりやすくなります。11月や大安に限るという決まりはありません。
夫が義両親の言うことを聞いてしまいます。
義両親へ連絡する前に、誰を呼ぶかを夫婦で確定させてください。方針が決まっていないと交渉が続きますが、決まっていれば連絡は報告で済みます。
呼ばなかったあとは何かしたほうがいいですか?
お参りから1週間以内に写真を送っておくと、呼ばなかったこと自体は問題として残りにくくなります。プリントを1枚入れると受け取ってもらいやすくなります。
まとめ
七五三で義両親のことが負担になるとき、その中身は日程・移動・費用・当日の口出しの4つに分かれていました。
まとめて「面倒」で処理してしまうと、条件を減らせば消える部分まで感情の問題として抱え込むことになります。
そして調査を見ると、祖父母が参加しなかった家庭は45%あり、片方だけという形も両家そろうより多くなっていました。
とくに父方だけ参加していない家庭は、母方の半分以下という数字が示すとおり珍しくありません。
呼ばない選択は例外ではないということです。
必要なのは断ることではなく、順番を変えることでした。
夫婦で先に決めて、夫から伝えて、終わったら写真を送る。
この3つを押さえておけば、義両親との調整は交渉ではなく報告になります。