入社して最初の12月、忘年会の話が出たときに「1年目が断っていいのだろうか」と迷いますよね。
同じ質問に対する答えは、実は割れています。
先輩たちからは「新入社員なら参加したほうがいい」という声がある一方で、キャリアの専門家からは「新人だからといって無理に参加を決める必要はない」という見解も出ています。
そこで、どちらが正しいかではなく、判断するための材料を並べました。
数字を見ると、そもそもの前提が変わってきていることが分かります。
行けと言う記事でも、断れとすすめる記事でもありません。
1年目の立場で選べる手を並べる内容です。
この記事の調査データは公表されている原典を確認し、調査主体・時期・回答数を明記したうえで引用しています。
まずは、自分が何を避けたいのかを整理するところから見ていきましょう。
苦手なのは忘年会か、上司がいる場か
「飲み会が苦手」とひとくくりにしていると、避けるべきものが見えにくくなります。
若い世代への調査では、上司を含む会社の飲み会が苦手な人は66.7%でしたが、同期や同世代との飲み会では49.1%まで下がりました。
SHIBUYA109 lab.が2023年2月に、411名(男性212名・女性199名)に聞いた結果です。
同じ「会社の飲み会」なのに、上司がいるかどうかで17ポイント以上変わっています。
同期だけなら、好きと苦手がほぼ半々です。
つまり多くの場合、避けたいのはお酒の場そのものではなく、気を遣う相手がいる場だということになります。
この違いが分かると、打てる手も変わります。
全部断るのではなく、上司が来る回だけ避ける、同期の集まりには出る、という選び分けができるからです。
なお、出ると決めた回でひとり取り残されるのが不安な場合は、当日の立ち回りを先に知っておくと負担が減ります。
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忘年会をやる会社は5年で半減している
続いて、そもそも論です。
ここは前提が大きく変わっています。
会社の忘年会の開催率は、2019年の51.8%から2024年は29.1%まで下がっています。
東京商工リサーチの調査による数字です。
コロナ禍を境に、忘年会をやらなくなった会社が増えたまま戻っていません。
3社に1社を切っているということです。
「社会人なら忘年会は当たり前」という前提は、いまの数字とは合っていません。
もちろん自分の会社がやると決まっているなら関係のない話ではあります。
ただ、断ることが特別なことだと思い詰める必要はない、という材料にはなります。
忘年会に行きたくないのは新人だけではない
次に、行きたくないと思っているのが自分だけなのかを確認します。
20〜69歳の1,100人に聞いた調査では、忘年会の「予定はなし」が約65%で、「行った・行く予定がある」は34%でした。
クロス・マーケティングが2024年12月6日から8日にかけて行ったインターネットリサーチの結果です。
興味深いのは年代別の数字です。
参加率が最も高かったのは男性20代の42.7%で、全年代のなかで最高でした。
「若い人は行かない」と言われがちですが、実際には20代のほうが参加しています。
行きたくないという気持ちと、実際に行くかどうかは別だということです。
なお、行く・行かないの判断基準そのものについては、下記の記事で整理しています。
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新人でも忘年会を断っていいのか
ここが最も知りたい部分だと思います。
答えは分かれています。
参加をすすめる意見と、無理に決める必要はないという意見の両方があり、判断の基準は「断り方」と「普段の仕事」に置かれています。
先輩世代からは「大多数が参加するなら、新入社員は人間関係のために出たほうがいい」「会社では見られない一面を知る機会」という声が挙がります。
一方で転職支援の現場からは、立場に関わらず断る権利があり、新人だからといって無理に参加を決める必要はない、という見解が出ています。
最後の項目が、両方の意見に共通している部分です。
参加をすすめる側も、断ってよいとする側も、「大切なのは普段の仕事への取り組み方」という点では一致しています。
つまり忘年会に出るかどうかより、そこ以外で信頼を作れているかのほうが効くということです。
角が立たない断り方と避けたい断り方
断ると決めた場合、伝え方で受け取られ方がかなり変わります。
早めに伝えて、理由を1つだけ簡潔に言い、感謝を先に置くのが基本です。
幹事は人数を店に伝えるので、返事が遅れるほど迷惑が大きくなります。
1年目は特に、断ったこと自体より段取りへの影響で印象が決まりやすくなります。
一方で、避けたほうがいいのが嘘をつくことです。
体調不良を装う、身内の入院を理由にするといった方法が紹介されていることもありますが、1年目は特に後で辻褄が合わなくなります。
同じ嘘は翌年も使えません。
「予定があります」で十分です。
内容まで説明する義務はありませんし、聞かれても「私用で」で通せます。
断ったあとに周りからどう見えているかが気になる場合は、下記の記事で整理しています。
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忘年会の幹事を頼まれたときにできること
新人特有の悩みが、参加とは別にあります。
幹事は業務に近い扱いをされることが多く、完全に断るより、範囲を区切って引き受けるほうが現実的です。
1年目に幹事が回ってくるのはよくあることですが、実際の作業量はかなりあります。
日程調整、店の選定と下見、予約、出欠確認、当日の受付と進行、会計、翌日のお礼と報告まで含まれます。
この量を1人で抱えるのが問題であって、幹事そのものが悪いわけではありません。
同期と2人で分ける、店選びだけ先輩に相談する、当日の受付を誰かに頼むといった形で分担すれば、負担はかなり減ります。
引き受けられない場合は、「今回は難しいので、次の機会にお願いできますか」と時期をずらす形にすると角が立ちにくくなります。
完全な拒否ではなく順番の相談にする、ということです。
断ったあとに1年目がやっておくこと
最後に、断ったあとの話です。
ここで差がつきます。
忘年会で作られるはずだった接点は、就業時間内のやり取りで置き換えられます。
1年目が心配するのは「顔と名前を覚えてもらう機会を逃すこと」ですが、これは飲み会でなくても作れます。
最後の項目が意外と効きます。
行かなかったことを気にしていない態度でいるより、話題として拾うほうが、距離を置いているという印象になりにくくなります。
なお、断ったことで強く責められる、参加が評価に直結していると感じる場合は、忘年会の問題ではなく職場の運用の問題です。
1年目のうちは判断が難しいので、同期や社外の人にも状況を話してみてください。
新人の忘年会に関するよくある質問
新人でも忘年会を断っていいですか?
参加をすすめる意見と、無理に決める必要はないという意見の両方があります。ただしどちらも「大切なのは普段の仕事への取り組み方」という点では一致しています。
断ると評価に響きますか?
参加が業務として指示されているかどうかで変わります。就業時間外で自由参加なら、断ったこと自体より断り方や普段の働き方のほうが見られます。
行きたくない人はどのくらいいますか?
20〜69歳の1,100人への調査では、忘年会の「予定はなし」が約65%でした。ただし参加率が最も高かったのは男性20代の42.7%で、若い世代が行かないわけではありません。
断り方はどう伝えればいいですか?
誘われたその日か翌日に返事をして、感謝を先に置き、理由を1つだけ簡潔に伝えてください。「私用で」で構いません。
嘘の理由を使ってもいいですか?
おすすめしません。1年目は特に後で辻褄が合わなくなりますし、同じ理由は翌年使えません。「予定があります」で十分です。
幹事を頼まれたら断れませんか?
業務に近い扱いをされることが多いため、完全に断るより「今回は難しいので次の機会に」と時期をずらすほうが角が立ちません。同期と分担する方法もあります。
飲み会が苦手なのか、上司が苦手なのか分かりません。
調査では、上司を含む飲み会が苦手な人は66.7%、同期・同世代との飲み会では49.1%でした。同期の集まりなら出られるなら、避けたいのは酒の場ではなく気を遣う相手がいる場だと考えられます。
会社の忘年会はどこもやっているのですか?
開催率は2019年の51.8%から2024年は29.1%まで下がっています。3社に1社を切っているので、やらない会社のほうが多くなっています。
まとめ
新人が忘年会を断っていいのかという問いに、一つの答えは出ていませんでした。
参加をすすめる声と、無理に決めなくていいという声が並んでいます。
ただし両方に共通しているのは、判断の重心が忘年会そのものではなく、普段の仕事と断り方に置かれているという点でした。
そして数字を見ると、前提が変わっていることも分かります。
忘年会をやる会社は2019年の51.8%から2024年は29.1%まで減り、行きたくないと思っている人も新人に限りません。
一方で参加率が最も高いのは20代で、行きたくない気持ちと実際に行くかどうかは別だという結果も出ています。
苦手なのが上司のいる場なのか、酒の場そのものなのか。
ここを分けておくと、全部断るか全部出るかの二択から抜けられます。
上司の回だけ避けて同期の集まりには出る、参加はするが幹事は分担する。1年目でも、選び方はいくつも残っています。