映画を見たあと、モモンガのことが好きになれなくなった。
そういう声がSNSに並びました。
見た目はかわいいのに、やっていることがどうしても受け入れられない。
そう感じた人は少なくないはずです。
この記事では、モモンガが嫌われる理由を映画の場面から整理します。
そのうえで、多くの人が見落としている「あなたが嫌っているのは誰なのか」という問題に触れます。
本記事は映画『ちいかわ 人魚の島のひみつ』および原作のネタバレを含みます。
モモンガが嫌われる理由は何?
先に結論をお伝えします。
モモンガが嫌われるのは、性格が悪いからというより、ちいかわたちと同じ倫理で動いていないからです。
ちいかわ・ハチワレ・うさぎが同じ方向を向いているなかで、モモンガだけが違う方向を向いています。
それが映画で誰の目にも見える形になりました。
映画『人魚の島のひみつ』でモモンガがしたこと
映画で決定打になった場面を確認します。
セイレーンとの戦いのさなか、モモンガは武器の「びんよよ」を放り投げ、それがラッコに命中して最強の戦力を無力化してしまいました。
味方の中でもっとも戦えるラッコを、味方が止めたことになります。
さらにその戦いの最中も、モモンガは「人魚を食べて永遠の命を得たい」という自分の願望を優先していました。
この2つが重なったことで、それまで「困った子」で済んでいた評価が決定的に傾きました。
仲間が命の危険にさらされている場面で別のことを考えていた、という一点が重く受け取られたためです。
トラブルメーカーという言葉では収まらない領域に入った、と感じた人が多かったようです。
登場人物の関係が整理できていないと、この場面の意味も伝わりにくくなります。
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あなたが嫌っているのは「でかつよ」かもしれない
ここが、多くの記事が触れていない部分です。
いま画面に映っているモモンガの中身は、本来のモモンガではなく「でかつよ」だとされています。
つまり、視聴者が嫌っているのはモモンガという存在そのものではなく、その体に入っているでかつよのほうだという見方ができます。
「モモンガが嫌いというコメントは、中身のでかつよが嫌いという意味なのか」と迷う人もいて、映画から入った人ほどここで引っかかっています。
この前提を知っているかどうかで、同じ場面の見え方が変わります。
かわいい姿にこだわり続ける理由も、その姿がもともと自分のものではないからだと考えると筋が通ります。
長く読んでいる人が「モモンガはかわいそうなキャラでもある」と言うのは、この背景を踏まえているためです。
なお、入れ替わりの詳細は作中ではっきり説明されているわけではなく、描写から読み取られている部分も含まれます。
モモンガにとって「かわいい」は目的である
もう一つ、モモンガの行動を読み解く鍵があります。
ちいかわたちは行動の結果としてかわいいと言われますが、モモンガは最初からかわいいと言われることを目的にしています。
だから拍手を求め、褒めることを相手に促します。
かわいさが手段ではなく目標になっているため、そのために周囲を使うことに迷いがありません。
指摘されているのは、この構造がかわいい見た目だから成立しているという点です。
同じ振る舞いを怪物の姿でしていたら、拍手ではなく討伐の対象になっていたはずだという指摘もあります。
見た目が振る舞いを許してしまう、という居心地の悪さが反発につながっています。
原作の時点で積み重なっていた言動
映画で初めて見た人は驚いたかもしれませんが、実は前からです。
モモンガは原作の時点で、ちいかわに噛みつく、自分からぶつかっても謝らないといった言動を重ねてきました。
実際の場面は、公式が投稿している画像で確認できます。
初登場のこの場面から、自分でぶつかっておいて謝らないまま去っていきます。
噛みついた跡がはっきり残っている場面です。
勝手にかじったうえで「うまみがない」と言う場面もあります。
長く読んでいる人にとって、映画のモモンガは急変ではなく、これまでどおりの姿でした。
映画で初めて見た人との温度差は、この積み重ねを知っているかどうかから生まれています。
SNSで評価が割れているのも、同じ場面を違う前提で見ているためです。
原作から追ってきた人は「またやっている」と受け止め、映画から入った人は「なぜこんなキャラがいるのか」と受け止めます。
どちらの感想も、見てきた量の違いから出ているものです。
「ちいかわが気持ち悪い」「うざい」と言われるのはなぜ?
モモンガから広がって、作品そのものへの拒否感を検索する人もいます。
作品が気持ち悪いと言われるのは、かわいい絵柄と、実際に描かれる過酷な内容との落差が理由として挙げられます。
かわいい見た目の世界で、労働や討伐や理不尽な別れが淡々と起こります。
どちらも作品の作りに対する反応であって、好きになれないこと自体はおかしなことではありません。
その落差が刺さる人と、受けつけない人に分かれるだけです。
うざいという反応も、かわいさを前面に出した作品全体への距離感から出ているものが多く、モモンガ個人への評価とは別のものになります。
作品のこうした側面は、下記の記事で詳しく扱っています。
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それでもモモンガを好きな人がいる理由
一方で、モモンガを好きだと言う人も確実にいます。
理由として挙げられるのは、善良さではなく、欲望に忠実であることの一貫性です。
全員が優しい世界では物語が動かないため、動かす役として置かれているという読み方です。
嫌われる要素と好かれる要素が、同じ性質から出ていることになります。
ちいかわのモモンガに関するよくある質問
モモンガはなぜ嫌われているのですか?
ちいかわたちと同じ倫理で動いておらず、仲間が危険な場面でも自分の欲を優先するためです。映画でその姿がはっきり描かれました。
映画でモモンガは何をしたのですか?
セイレーンとの戦いの最中に武器のびんよよを放り投げ、ラッコに当てて最強の戦力を無力化しました。さらに人魚を食べて永遠の命を得たいという願望を優先していました。
モモンガの中身は誰なのですか?
本来のモモンガではなく「でかつよ」だとされています。魔女によって体が入れ替えられたと語られています。
では本来のモモンガはどこにいるのですか?
バケモノの姿になっているとされ、性格は優しかったと語られています。
モモンガはちいかわの仲間ではないのですか?
同じ場にいることは多いものの、同じ倫理や目的を共有する仲間としては描かれていません。
モモンガが「かわいい」にこだわるのはなぜですか?
モモンガにとってかわいさは結果ではなく目的だからです。そのために拍手や称賛を求めます。
原作のモモンガも同じような性格ですか?
はい。ちいかわに噛みつく、ぶつかっても謝らないといった言動が以前から描かれています。
ちいかわが気持ち悪いと言われるのはなぜですか?
かわいい絵柄と、実際に描かれる過酷な内容との落差が理由として挙げられます。
モモンガを好きな人はどこを評価しているのですか?
欲望に忠実で建前がない一貫性と、予定調和を壊す異物としての役割です。
モモンガは今後改心するのですか?
現時点でそうした展開は描かれていません。今後の話を待つことになります。
まとめ
モモンガが嫌われるのは、性格が悪いという一言では説明しきれません。
ちいかわたちと同じ倫理で動いていないという構造が先にあり、映画でそれが誰の目にも見える形になりました。
とくに決定的だったのは、びんよよを放り投げてラッコを無力化した場面と、戦いの最中も人魚を食べたいという欲望を優先していた場面です。
そのうえで押さえておきたいのが、いま画面にいるモモンガの中身が「でかつよ」だとされている点です。
嫌っている対象が誰なのかが変わるため、ここを知ると受け止め方も変わります。
原作を追ってきた人にとっては、映画のモモンガは急変ではありませんでした。
噛みつきも、謝らない態度も、以前から積み重なっていたものです。
嫌われる理由と好かれる理由が同じ性質から出ているキャラクターなので、どちらの見方も間違いではありません。