やめたい気持ちはとっくに固まっているのに、そこから動けない。
切り出すのは自分なのか、夫なのか、それとも親同士に任せるのか。
考えているうちにまた12月が来てしまう。
この悩みが止まるのは、やめてよいかで迷っているからではなく、誰が言うかが決まらないからでした。
しかも「義実家のお歳暮」とひとくちに言っても、中身は3通りに分かれています。
この記事では、まず自分がどのパターンなのかを切り分けたうえで、伝える役をどう決めるかまでを並べました。
やめることを勧める記事でも、続けるべきだと言う記事でもありません。
動けなくなっている場所を特定して、そこを外すための内容です。
この記事の調査データは公表されている原典を確認し、実施主体・時期・回答数を明記したうえで引用しています。
まずは、自分がどのパターンなのかを確かめるところから始めます。
「義実家のお歳暮」には3つの別々の悩みがある
同じ言葉でも、中身が違えば動き方も変わります。
ここを混ぜたまま考えると答えが出ません。
大きく分けると、自分が贈る分・実家同士の贈り合い・相手がやめてくれない、の3つです。
実際に相談されている内容を並べると、この3つがきれいに分かれます。
しかも困っている場所がそれぞれ違います。
②がいちばん厄介です。
当事者は親同士なのに、話を運ぶ役だけが自分に回ってくるという形になるからです。
まず自分がどれなのかを決めてください。
①なら夫婦の話、②なら親同士の話、③はマナーの話で、それぞれ持っていく先が違います。
親や親族との付き合いは、実際に妻へ寄っている
「なぜ私がやることになっているのか」という感覚には、裏づけがあります。
全国調査では、親や親族との付き合いを決めているのは妻が37.8%、夫婦一緒にが56.1%で、合わせて9割を超えていました。
国立社会保障・人口問題研究所が2022年7月に実施した第7回全国家庭動向調査による数字です。
有効回収票は8,910票で、この項目は3つの設問すべてに回答した4,314名分を集計しています。
車の購入では夫が38.2%を占めるのに対し、親や親族との付き合いで夫が主になっているケースは、ごくわずかしか残りません。
つまり、この役回りは自分の家だけの問題ではありません。
全国的にそうなっているという事実を知っておくと、「私が動くのが当然」という前提から一度離れられます。
伝えるのは実子から、自分の親へ
では誰が言うか。
ここには相談の場で繰り返し出てくる答えがあります。
夫の親には夫から、妻の親には妻から伝えるのが基本です。
実際、実家同士のやり取りをやめたいという相談に寄せられた意見でも、結論は「夫婦が主導して、夫から自分の両親に話すべき」でした。
90代の義母が贈り続けてしまうケースについても、心理カウンセラーは「対応は夫に任せる」と答えています。
「娘からなら柔らかく断れるが、舅や姑から直接言われると波風が立ちやすい」という指摘もあります。
同じ言葉でも、誰の口から出たかで意味が変わってしまうということです。
問題は、夫が動かないケースが多いことです。
「別にどっちでもいい」と言われて止まっている場合、それは反対ではなく、単に自分の仕事だと思っていないだけのことがあります。
役割として先に決めてしまうほうが早く進みます。
言い出した人が自分で言わないと、こじれる
やめる話がこじれるとき、原因は内容ではなく順番にあります。
「やめよう」と言い出した人が、自分では言わずに他の人へ役を渡すと、そこで角が立ちます。
実際にあった話です。
結婚後、妻の実家から夫の実家へお中元とお歳暮を贈っていました。
ある年、舅から「面倒だし、仲も良いのだからやめないか」と言われます。
夫婦で相談して「角が立ちすぎる」と断ったところ、今度は姑が妻の実家へ回りくどく説得に回り、実家の母親が泣いてしまいました。
やめること自体は誰も強く反対していません。
ところが誰が言うかを決めずに人づてで動かしたせいで、いちばん関係の薄い人が泣く結果になりました。
自分が言い出す側になるときも同じです。
役を渡した瞬間に、話は自分の手を離れます。
実家同士のやり取りは、始めた側から動く
実家同士の場合、もう一つ手がかりがあります。
妻の実家から夫の実家へ先に贈り始めるケースが多く、やめ方の目安は3年から5年とされています。
慣例としては、夫側の実家から「そろそろお互いに」と提案する形が角が立ちにくいと言われます。
ただし現実には、先に贈り始めた側が「やめたい」と思っていることが少なくありません。
4つ目が抜けやすいところです。
負担だからやめたいと言っているのか、相手に気を遣わせたくないからなのかで、伝える言葉が変わります。
実際、義母が「人付き合いが苦手だから気を遣わせたくない」という理由でやめたがっていた例もあります。
いちばん確実なのは、親同士で直接話してもらうことです。
それが難しいときだけ、やめたいと言っている親の実子が、その親の代わりに相手へ伝える形になります。
順番を守れば、間に立つ人は1人で済みます。
自分が義実家に贈るのをやめたいとき
ここからは①のパターンです。
夫婦から義実家へ贈っている場合です。
まず、やめたい理由が負担なのか不公平感なのかを分けてください。
負担が理由なら金額を下げれば解決します。
ところが不公平感が理由の場合は、金額を下げても気持ちは変わりません。
4つ目のときに使える考え方があります。
実際の相談で出ていたのが、夫が続けたいなら、夫が自分の小遣いから、自分で手配すればいいという答えでした。
やめるかどうかの前に、誰の行事なのかをはっきりさせるという発想です。
やめる話と、担当を変える話は別々に進められます。
片方だけでも楽になることがあります。
全部やめる前に、減らす選択肢がある
やめると決める前に、確かめておきたいことがあります。
長く続けているほど、突然やめたときの印象は強く残ります。
7年続けた贈り物をやめたいという相談で、最も支持された答えは意外なものでした。
「相手が気にするタイプで『いらない』と言わないなら、やめない方がいい。
代わりに予算を減らす工夫をしたほうがいい」という内容です。
相談した本人も、最終的に金額を下げて続ける方針に変えています。
どれも「やめた」ことにはならないので、切り出す言葉も軽くて済みます。
回数と金額を落とすだけで、12月の負担はかなり減ります。
なお、贈る相手が会社や親戚も含めて複数いる場合の順番と手順は、
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お歳暮をやめたいときは?毎年贈っている人の割合と3段階の引き際
お歳暮をやめたい人に向けて、毎年贈っている人の割合と世代差、やめても失礼にならないタイミング、3段階でやめる手順、相手別の伝え方までを整理しました。
にまとめています。
同じ「全部やめずに減らす」という考え方は、正月のおせちにも当てはまります。
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おせちがいらないと感じたときの整理です。実際に食べている人の割合、手作りしている人の少なさ、全部やめずに減らす方法、家族への伝え方までを解説します。
やめようと言われた側は、どう受け取っているか
自分が切り出す前に、相手側の見え方も知っておくと言葉が選べます。
贈っている側にとって、お歳暮は負担ではなく意思表示であることがあります。
先ほどの例で、妻の実家は「娘をよろしく」という気持ちで、楽しそうに贈っていました。
それを「面倒だからやめよう」と言われれば、否定されたように受け取られても不思議はありません。
代わりに使われているのが、年齢や事情を理由にする形です。
「年齢的にお互い無理のない範囲で」「今後は別の形でお伝えできれば」といった言い方なら、行為そのものを否定せずに済みます。
相手が何を大事にしているかは、やめる話をしたときに初めて見えることがあります。
「気を遣わせたくないから」だったのか、「つながりを示したいから」だったのか。ここが分かると、次に何を残すかも決まります。
相手がやめてくれないとき
断ったのに届き続けるケースもあります。
この場合は気持ちの問題ではなく、断り方のマナーとして伝えるほうが通ります。
90代の義母が、相手から「もう送らないでほしい」という手紙を受け取ってもなお贈り続け、先方からクレームが来ていたという相談がありました。
本人は「不義理はできない」と聞き入れません。
最後の項目が実務的です。
毎年同じリストから自動的に手配している場合、リストを直せば行動そのものが止まります。
「やめてほしい」と気持ちで伝えても動かない相手には、「そのやり方は失礼にあたる」という別の軸を持ち込むほうが早いということです。
やめたあとに何を残すか
最後に、やめたあとの話です。
ここを決めずにやめると、あとから落ち着かなくなります。
贈り物は、義実家とうまく付き合うための手段として実際に使われています。
既婚者500人への調査では、義両親との関係が「とても良い」「まあ良い」と答えた人が86.2%でした。
そして、うまく付き合うための工夫として挙がった1位が「距離感を保つ」で114人、2位が「プレゼントを贈る」で100人です。
株式会社AlbaLinkが2024年7月5日から11日にかけて実施したインターネット調査による数字です。
会う頻度は「年1〜2回」が最も多く、全体の約3割でした。
年に1〜2回しか会わない相手なら、贈り物は数少ない接点のひとつです。
それを丸ごと消すのではなく、時期が読める形に置き換えると、負担だけが減ります。
12月に必ず手配が発生する状態から抜けられるかどうか。
変えたいのはそこであって、関係そのものではないはずです。
義実家のお歳暮に関するよくある質問
義実家にお歳暮は必要ですか?
必ず贈らなければならない決まりはありません。ただし結婚して最初の年や、日ごろ援助を受けている場合は贈っておくほうが無難とされています。相場は3,000〜5,000円が目安です。
実家同士のお歳暮はやめていいですか?
やめる目安は3年から5年とされています。ただし当事者は親同士なので、まずはどちらの親が先に贈り始めたか、やめたいと言っているのはどちらかを確かめてください。
やめる話は誰が伝えればいいですか?
夫の親には夫から、妻の親には妻から伝えるのが基本です。同じ内容でも配偶者から伝えると「嫁が決めた」「婿が決めた」という形で届いてしまいます。
夫が動いてくれません。
「別にどっちでもいい」という返事は反対ではなく、自分の仕事だと思っていないだけのことがあります。やめるかどうかより先に、伝える役を決めてしまうほうが進みます。
やめようと言われたらどうすればいいですか?
すぐ返事をせず、相手が何を理由にしているかを聞いてください。「気を遣わせたくない」なのか「面倒」なのかで、こちらの返し方も変わります。
義母がやめてくれないときは?
気持ちではなくマナーとして伝えるほうが通ります。断られたのに贈り続けるのは失礼にあたる、という点を実子から伝え、百貨店の送り先リストから外してもらう方法もあります。
全部やめないといけませんか?
お中元だけやめる、金額を下げる、母の日と父の日だけにする、といった段階があります。長く続けているほど突然やめた印象が強く残るので、減らすところから始める方法もあります。
やめたあとは何を贈ればいいですか?
お年賀や帰省時の手土産に切り替える形が使われています。年に1〜2回しか会わない相手なら、贈り物は数少ない接点なので、時期が読める形に置き換えると負担だけが減ります。
まとめ
義実家のお歳暮をやめたいという悩みは、実際には3つに分かれていました。
自分たちが贈っている分、実家同士が贈り合っている分、そして相手がやめてくれない場合です。
混ぜて考えているうちは答えが出ませんが、切り分ければ持っていく先はそれぞれ違います。
そして止まっていたのは、やめてよいかどうかではなく、誰が言うかでした。
全国調査では、親や親族との付き合いを決めているのは妻が37.8%、夫婦一緒にが56.1%で、夫が主になっているケースはごくわずかです。
この役回りは自分の家だけの問題ではありませんでした。
だから決め方はひとつです。
夫の親には夫から、妻の親には妻から。
実際にこじれた例では、「面倒だからやめよう」と言い出した本人が自分では伝えず、役を渡された人づてに話が回って、いちばん関係の薄い人が泣いています。
内容ではなく順番でこじれていました。
やめる前に減らす道もあります。
お中元だけやめる、金額を下げる、手土産に変える。
長く続けているほど突然やめた印象は強く残るので、急がなくて構いません。
贈っている側にとっては、それが負担ではなく意思表示だったということもあります。
変えたいのは12月に必ず手配が発生する状態であって、関係そのものではないはずです。