職場の飲み会を続けて断っていると、仕事そのものより「どう思われているか」のほうが気になってきますよね。
実際、4年勤めている人が家庭の事情で毎回欠席していることを相談したところ、「参加する方が印象は圧倒的に良い」という答えと、「仕事の評価と飲み会は別問題」という答えの両方が返ってきていました。
同じ状況を見ても、受け取り方はここまで分かれます。
この記事では、同僚から見た印象と上司から見た印象を分けて確認したうえで、実際に来ない人が何を思っているのかを調査データで押さえ、印象を戻す方法まで整理します。
行かない側にも、来ない人を見ている側にも読める形でまとめています。
この記事の調査データは公表されている原典を確認し、調査主体・時期・回答数を明記したうえで引用しています。
まずは、実際にどう見られているのかから見ていきましょう。
飲み会に来ない人が同僚から持たれる印象
同じ立場の同僚から見た場合と、上司から見た場合では、引っかかるポイントが違います。
まず同僚側からです。
同僚からは「距離を置かれている」と受け取られやすく、能力ではなく関係性の問題として見られます。
飲み会は仕事の話をしない場でもあるため、そこに来ないと、雑談や個人的な話題を共有する機会がなくなります。
その結果、人柄が見えないという状態が生まれます。
共通しているのは、どれも仕事の能力についての評価ではないという点です。
「仕事はできるけど」と前置きされたうえで語られることが多く、それが余計に居心地の悪さを生みます。
飲み会に来ない部下が上司から持たれる印象
続いて上司側です。
ここは同僚とは見ているものが変わります。
上司からは「組織への姿勢」として読まれやすく、協調性やキャリアへの意欲と結びつけられます。
同僚が「関係性」を見るのに対し、上司は「チームの一員としてどうか」を見る立場にあります。
そのため同じ欠席でも、解釈が組織寄りになります。
3つ目が特徴的です。
上司側は飲み会を「情報と人脈が動く場」として見ているため、来ないことが機会の放棄に映ります。
本人にその意図がなくても、そう解釈される構造があるということです。
飲み会を不要だと思っている人は半数を超えている
ここまでは受け取られ方の話でした。
実際に来ない側が何を考えているのかを、データで確認します。
職場の飲みニケーションを「不要」と答えた人は56.4%で、半数を超えています。
日本生命が2024年10月1日から31日にかけて行ったインターネットアンケートの結果です。
回答者数は11,377名で、飲みニケーションについての設問には8,953名が答えています。
さらに、同じ調査で職場の対面コミュニケーション自体は87.2%が「必要」と答えています。
この2つを並べると見え方が変わります。
来ない人は人付き合いそのものを拒否しているのではなく、対面での関わりは必要だと思ったうえで、酒の場だけを選んでいないということです。
行かない側の判断基準や断り方については、下記の記事で整理しています。
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飲み会に来ない理由の1位は「気を遣うから」
不要と答えた人が、その理由として何を挙げているのかも取れています。
ここが最も誤解されている部分です。
理由の1位は「気を遣うから」で48.3%でした。「職場の人が嫌いだから」を挙げた人は6.9%にとどまっています。
不要と答えた5,346名への複数回答です。
7位の6.9%が重要です。
来ない人を見て「自分たちが嫌われているのでは」「見下されているのでは」と受け取ることがありますが、実際にそう考えている人は15人に1人ほどしかいません。
1位が「気を遣うから」であることも、印象とは逆向きです。
関心がないから来ないのではなく、むしろ気を遣いすぎて疲れるから来ない、という構図になっています。
気を遣うのに疲れる背景には、大人数の席では会話の輪が必ず割れるという事情もあります。
参加しても居場所がなくなってしまう仕組みは以下で扱っています。
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飲み会に行かない理由は年代で中身が変わる
同じ調査は年代別も出しています。
世代論で語られがちな部分ですが、数字を見ると理由の中身が違うだけでした。
「気を遣うから」は20代以下で54.2%、70代以上で34.6%と、若い世代ほど高くなっています。
お金を理由に挙げた人は、20代以下が70代以上の3倍以上です。
年齢が上がるほど負担感が下がるので、上の世代から見ると「なぜ来ないのか分からない」という状態になります。
同じ飲み会でも、若い人にとっては費用と時間の負担が大きく、上の世代にとってはそうではない。
世代間で意見が合わないのは価値観の違いというより、支払っているコストが違うからだと言えます。
なかでも入社1年目は、この負担に加えて断りにくさが重なります。
新人の立場から見た事情はこちらにまとめました。
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飲み会に来ないと評価は下がるのか
印象の話をしてきましたが、評価への影響は別に考える必要があります。
印象と評価は別のもので、評価への影響は職場によって割れています。
実際の相談でも、答えが真っ二つに分かれていました。
「参加する方が印象は圧倒的に良い」という見方がある一方で、「仕事の評価と飲み会参加は別問題」「在宅中心なら成績に響くことは今どきない」という見方もあります。
「はっきり指摘されないまま評価が下がる」という指摘もありますが、具体的な根拠が示されているものは見当たりませんでした。
確かなのは、印象が悪くなることと評価が下がることは自動的につながらないということです。
印象は日常のやり取りで戻せる部分があり、次の見出しでその方法を整理します。
飲み会に参加せずに印象を戻す方法
ここが実際に動かせる部分です。
飲み会で作られていた関係は、就業時間内の接点で置き換えられます。
来ないことで失われるのは、雑談の機会と、業務外の情報が流れてくる経路です。
どちらも飲み会でなければ得られないものではありません。
最後の項目が最も効きます。
印象の話は「仕事はできるけど」という前置きから始まることが多く、その前置きが強いほど後ろの評価が薄まるためです。
4つ目も見落とされがちです。
断り方が雑だと、来ないこと自体より態度のほうが記憶に残ります。
来ない同僚や部下にどう接するか
最後に、見る側の話です。
ここを扱っている情報はほとんどありません。
参加を求める前に、飲み会以外で関係を作る場を用意するほうが早いという指摘があります。
人事コンサルタントの曽和利光さんは、部下が飲み会に来ないという相談に対して次のように述べています。
お酒はあくまで「ドーピング」です。
「ドーピングしないと部下が理解できない」というのは、管理職としていかがなものでしょうか
そのうえで、読書会やランチミーティングなど「仕事に役立つ集まり」であれば参加する可能性があること、部下が成果を上げているなら悩みを聞くより先にその働きを褒めるほうが先ではないか、という見方を示しています。
4つ目が実務上いちばん重要です。
飲み会でしか流れない情報があると、参加が事実上の業務になります。
そこを分けておけば、来る来ないは本当に個人の選択になります。
飲み会に来ない人の印象に関するよくある質問
飲み会に来ない人はどう思われていますか?
同僚からは「とっつきにくい」「距離を置かれている」、上司からは「協調性がない」「キャリアアップに消極的」と受け取られやすくなります。どれも仕事の能力についての評価ではありません。
来ないのは職場の人が嫌いだからですか?
調査では、飲みニケーションが不要だと考える理由に「職場の人が嫌いだから」を挙げた人は6.9%でした。1位は「気を遣うから」で48.3%です。
飲み会に来ないと評価は下がりますか?
印象と評価は別のもので、影響は職場によって割れています。成果で評価が決まる仕組みがあれば響きにくく、業務外の情報が意思決定に影響している職場では響きやすくなります。
急に来なくなった人は何かあったのでしょうか?
人間関係の疲れ、価値観の変化、経済的な事情など理由はさまざまです。ただし調査の数字を見る限り、職場の人が嫌いという理由は少数派です。
若い人ほど飲み会を嫌がるのですか?
理由の中身が違います。「お金がもったいないから」を挙げた人は20代以下37.9%に対し70代以上11.1%で3倍以上の差があり、費用と時間の負担が世代で違うことが背景にあります。
参加しないまま印象を戻すことはできますか?
朝の挨拶、報連相を先に出す、昼休みに週1回でも話す、といった就業時間内の接点で置き換えられます。断るときの態度も印象に残るので、感謝を先に伝えてください。
来ない部下にはどう接すればいいですか?
参加を前提にした声かけをやめ、ランチや勉強会など別の場を用意するほうが早いという指摘があります。業務に必要な情報を飲み会で流さないことも大切です。
飲み会を不要と思っている人は少数派ですか?
逆です。調査では不要と答えた人が56.4%で半数を超えており、飲みニケーションがある職場で働きたくないと答えた人は70.2%でした。
まとめ
飲み会に来ない人への印象は、同僚からは関係性の問題として、上司からは組織への姿勢として受け取られていました。
どちらも仕事の能力についての評価ではなく、「仕事はできるけど」という前置きから始まるのが特徴です。
一方で、来ない側の理由をデータで見ると、1位は「気を遣うから」で48.3%、「職場の人が嫌いだから」はわずか6.9%でした。
対面のコミュニケーション自体は87.2%が必要だと答えているので、人付き合いを拒否しているわけではなく、酒の場だけを選んでいないということになります。
つまり、来ない側と見る側は同じ場面をまったく違うものとして見ています。
片方は気疲れを避けているつもりで、もう片方は距離を置かれたと受け取っている。
この行き違いは、飲み会に出るかどうかでは解決しません。
就業時間内に接点を作るか、飲み会以外の場を用意するか。
動かせるのはそちらのほうでした。