職場の飲み会を断りたいと思ったとき、引っかかるのは飲み会そのものより「断ったあと、どう思われるか」のほうですよね。
実際、部署で最も仕事ができる人が飲み会に来ないことについて、「私たちを見下しているのではないか」と受け取っている同僚もいました。
行かない側が気にしているのは断り方ですが、見ている側が気にしているのは、もっと別のことです。
この記事では、実際の調査データで「行かない人」がどのくらいいるのかを確認したうえで、周りからどう見えているのか、どう伝えれば角が立たないのかを順に整理します。
断ることをすすめる記事でも、我慢して出ろという記事でもありません。
判断材料を並べて、選ぶのは読んだ人に任せる形にしています。
この記事の調査データは公表されている原典を確認し、調査主体・時期・回答数を明記したうえで引用しています。
まずは、そもそも賢いと言えるのかどうかから見ていきましょう。
飲み会に行かないのは賢い選択なのか
結論からお伝えします。
行かないこと自体が賢いのではなく、行く回数を自分で決めていることが賢いと受け取られています。
同じ「行かない」でも、全部断る人と、選んで出る人では周囲の反応が変わります。
前者は理由が見えないぶん憶測を呼びやすく、後者は判断基準があることが伝わるからです。
この2つは別物です。
時間の合理性だけを追って断り方が雑になると、賢いではなく「付き合いが悪い」に振れます。
逆に断り方だけ丁寧でも、毎回同じ理由を繰り返せば見透かされます。
判断が必要なのは「行くか行かないか」ではなく、「どこまでは出て、どこからは出ないか」という線引きのほうです。
飲み会に参加したくない理由の1位は人間関係ではない
続いて、実際のデータを見ておきます。
ここが多くの人の想像とずれている部分です。
参加したくない理由の1位は「プライベートを優先したい」で56.5%でした。人間関係を挙げた人は、それより少なくなっています。
Job総研が2025年10月29日から11月4日にかけて、就業中の20〜50代421人に行ったインターネット調査の結果です。
上下関係やノリを挙げた人も4割近くいますが、最も多いのは時間の使い方の問題でした。
職場が嫌いだから行かないのではなく、その時間を別のことに使いたい、というのが多数派だということです。
この違いは、断るときの伝え方に直結します。
人間関係が理由なら言いにくいですが、予定を優先したいだけなら、そのまま言葉にできます。
20代のほうが飲み会に参加したがっているという結果
同じ調査には、もうひとつ通説と逆の数字があります。
参加意欲が最も高いのは20代の71.0%で、最も低いのは50代の48.3%でした。
「若い人は飲み会に来ない」という前提で語られることが多いのですが、この調査では20代の参加意欲が3年連続で全世代最多になっています。
全体でも参加したい派は60.1%で、開催そのものは69.1%の職場で予定されていました。
なお、この調査の回答者は転職情報サービスの登録者なので、働き方への意識が高い層に寄っている可能性があります。
数字はそのまま社会全体の割合ではなく、傾向として見るのが適切です。
それでも押さえておきたいのは、断る側が多数派ではないということです。
行かない選択をするなら、周りの半数以上は行く前提でいる、という状況の中で断ることになります。
飲み会に行かない人は周りからどう見られているか
ここが、断り方より先に知っておきたい部分です。
行かないこと自体より、「なぜ来ないのか分からない」状態のほうが憶測を呼びます。
部署で最も仕事ができる人が大人数の飲み会に来ず、昼食もいつも一人という状況について、同僚が「私たちを見下しているのではないか」と疑っていたケースがあります。
実際の答えは、大人数が苦手でプライベートを大切にしたいというだけのことでした。
逆に言えば、日常の接点さえ保っておけば、飲み会に来ないことは大した情報になりません。
同じケースへの答えでも「仕事のできる・できないと飲み会参加はまったく関係ない」という見方が示されていました。
見られ方を左右しているのは参加率ではなく、それ以外の時間に何をしているかのほうです。
実際に同僚と上司で見え方がどう分かれるかは、以下で詳しく扱っています。
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飲み会を毎回断るのと、たまに断るのは別物
続いて、頻度の話です。
ここを混同すると判断を誤ります。
単発で断ることはほとんど問題になりませんが、毎回断る場合はスタンスを一度伝えておくほうが揉めにくくなります。
たまの欠席は予定の問題として処理されます。
ところが5回続けて断ると、周囲は理由を予定ではなく意思として受け取り始めます。
そこで初めて「付き合いが悪い」という評価が生まれます。
先に立場を伝えておくと、以降の欠席は確認作業になり、断るという行為ではなくなります。
毎回ゼロから断る消耗が消えるので、実は本人がいちばん楽になります。
嫌われる断り方と、角が立たない断り方
同じ欠席でも、伝え方で受け取られ方は変わります。
嫌われる原因は行かないことではなく、連絡なしで抜けることと、断るときの態度にあります。
とくに問題になりやすいのが、返事をしないまま当日を迎えるパターンです。
幹事は人数を店に伝えているので、無断欠席は金銭的な迷惑に直結します。
逆にやってはいけないのが、返事をしないまま人数に入っている状態です。
キャンセル料が発生する店だと、幹事が自腹を切ることになります。
断ること自体は自由でも、期限までに伝えることは責任の側にあります。
なお、入社1年目で断っていいのか迷っている場合は、新人特有の事情を踏まえた内容がこちらにあります。
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二次会だけ断るという選び方
全部か無かで考えていると見落としがちな選択肢です。
一次会だけ出て二次会を断る形なら、参加した扱いのまま拘束時間を半分にできます。
飲み会がつらい理由の多くは、長さと終電の不安に集中しています。
一次会は2時間程度で終わることが多く、そこで帰れば翌日への影響も小さくなります。
参加率という意味では、一次会に出た時点で「来た人」に数えられます。
毎回全部断るより角が立たず、拘束時間は実質半分になります。
全欠席がつらいと感じる職場なら、ここが現実的な落としどころです。
飲み会を欠席するとき寸志は必要か
意外と情報が少ないのが、お金の扱いです。
欠席する場合、原則として支払いは不要ですが、自分が主役の会や送別会では寸志を包む慣習があります。
判断が分かれるのは、キャンセル期限を過ぎてからの欠席です。
人数分を店に伝えたあとなら、その1人分は発生しています。
金額そのものより、幹事に負担を残さないことが目的です。
渡すときは封筒に入れ、「参加できず申し訳ありません」と一言添えれば足ります。
ここを押さえておくと、直前の欠席が必要になったときに動けます。
行かないと決めた人ほど、断り方より先に知っておいたほうがいい部分です。
飲み会に行かないと決めたあと職場でやること
最後に、孤立を避けるための実際の行動です。
飲み会で作っていた関係は、就業時間中の小さな接点で置き換えられます。
行かない人が評価を落とすとしたら、それは飲み会に出なかったからではなく、情報から外れて仕事が回りにくくなるからです。
逆に言えば、情報の入り口を別に作れば問題になりません。
派手なことは必要ありません。
飲み会1回分の情報は、日々の5分の会話で十分に取り返せます。
なお、出たうえで毎回ひとり取り残されてしまうという場合は、断り方ではなく当日の過ごし方の問題になります。
輪が割れる仕組みと、その場でできることは以下にまとめました。
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飲み会でポツンは性格のせい?輪が割れる仕組みと当日の過ごし方
飲み会でポツンになるのはなぜかを、会話できる人数の研究から整理しました。輪が割れる仕組み、座る位置の影響、その場でできること、途中で帰る判断、評価への影響までを解説します。
なお、断るたびに強い反発が返ってくる職場や、参加が評価に直結していると感じる場合は、飲み会の問題ではなく職場文化の問題です。
その場合は個人の断り方で解決しようとせず、環境そのものを見直す視点も必要になります。
飲み会に行かないことに関するよくある質問
飲み会に行かないのは賢いのですか?
行かないこと自体が賢いのではなく、行く回数を自分で決めていることが賢いと受け取られます。全部断るか全部出るかではなく、どこまで出るかの線引きを持っているかどうかです。
飲み会に行かないと嫌われますか?
嫌われる原因は行かないこと自体ではなく、連絡なしで抜けることや断り方の態度にあります。期限内に返事をして礼を伝えていれば、欠席そのものが問題になることは多くありません。
毎回断ってもいいですか?
単発の欠席は問題になりにくいですが、続く場合は最初に一度「基本的に参加できない」と伝えておくと揉めにくくなります。毎回ゼロから断る負担も減ります。
断る理由は何と言えばいいですか?
具体的な理由を一つだけ言うのが伝わりやすいです。理由を並べると言い訳に見えるので、一つで十分です。
二次会だけ断ってもいいですか?
問題ありません。一次会に出た時点で参加した扱いになるため、全欠席より角が立たず、拘束時間は実質半分になります。伝えるのは店を出る前がおすすめです。
欠席するとき寸志は必要ですか?
期限内に断れば支払いは不要です。期限後や当日の欠席は会費相当を渡すのが無難で、自分の歓迎会や送別会を欠席する場合は寸志を包む慣習があります。
飲み会に行かないと情報から外れませんか?
外れるとしたら飲み会が原因ではなく、情報の入り口を作っていないからです。報連相を先に出す、昼休みに週1回でも話すといった接点で置き換えられます。
若い人ほど飲み会を嫌がるのではないですか?
実際の調査では、参加意欲が最も高いのは20代の71.0%で、最も低いのは50代の48.3%でした。年齢と参加意欲の関係は、よく語られている印象とは逆になっています。
まとめ
飲み会に行かないことが賢いかどうかは、行くか行かないかでは決まりませんでした。
周囲が見ているのは参加率ではなく、断る基準がはっきりしているかどうかと、断ったあとに何をしているかのほうです。
データを見ると、参加したくない理由の1位は人間関係ではなく「プライベートを優先したい」で、これは言葉にしやすい理由でもあります。
一方で参加意欲が最も高いのは20代で、断る側が多数派というわけでもありませんでした。
全部出るか全部断るかの二択で考えているうちは、二次会だけ断る、期限内に返事をする、欠席時に寸志を用意するといった中間の手が見えてきません。
削るべきは飲み会の回数ではなく、断ることに使っている気力のほうです。